海外旅行中に医療機関で治療を受けました。支払った医療費は「医療費控除」の対象になりますか?
その年に支払った医療費が一定額を超えた場合、医療費控除の対象となる可能性があります。 海外旅行中に病気やけがで医療機関を受診した場合にかかった費用についても、控除の対象になるのか不安に感じている人もいるでしょう。 本記事では、海外旅行中にかかった医療費の控除について、支払った医療費に対する控除額の計算方法とともにご紹介します。
医療費控除とは?
1年間に支払った医療費の合計が一定額を超えたときは、所得控除を受けることが可能です。控除の対象となる医療費には、以下のようなものがあります。 ●診療や治療にかかった費用 ●治療や療養に必要な医薬品の購入費用 ●病院や施設などへの収容に必要な人件費 ●あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術費用(治療に関係のあるもの)など ただし、納税者が自分自身、または同一生計の配偶者や親族にかかった医療費であることが条件となります。 医療費控除を受けるためには、必要事項を記載した確定申告書を税務署に提出しなければなりません。
海外旅行中にかかった医療費は控除の対象になるのか?
医療費控除については所得税法第七十三条に定められていますが、控除の対象となる医療費を「国内でかかったもの」とする旨の記載はありません。そのため、海外旅行中にかかった医療費も控除の対象となると考えられます。また、国税庁のホームページにも「海外旅行先で支払った医療費は控除の対象となる」という記載があるため、問題ないと考えていいでしょう。 ただし、医療費控除を受けるためには「居住者」であることを証明できなければなりません。所得税法第二条三項によると、居住者とは「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう」とされています。 通常の海外旅行であれば問題ありませんが、海外赴任などで国内に住所がない場合や、1年以上日本に住んでいない場合などは医療費控除の対象にならない可能性があるので注意が必要です。