大統領選挙では支持も…光復会長、尹大統領に「裏切られた」なぜ?=韓国
「1948年建国節推進は日帝正当化」 ニューライトの相次ぐ重用に公開で抗議
独立記念館のキム・ヒョンソク館長の任命に触発された大統領室と光復会の確執は、日に日に強まっている。キム・ヒョンソク館長の任命に反発してきた光復会のイ・ジョンチャン会長は10日、大統領室の光復節記念行事への出席懐柔を「建国節制定を試みないと宣言しなければ参加しない」として拒絶したと明らかにした。大統領室は11日になっても答えていない。イ会長はキム館長任命の撤回を要求した際に、「龍山(ヨンサン)に日帝密偵の影」、「大統領周辺の密偵」などと述べ、国策機関長の人事でニューライト傾向の人物を重用する大統領室を強く批判している。 イ会長の近ごろの発言は、同氏と尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が密接な関係を持つうえ、「密偵」というのが21世紀の言語生活ではななかなか使われない用語であるため注目される。イ会長は延世大学法学専門大学院のイ・チョルウ教授の父親で、イ教授と尹大統領は小学校時代からの友人だ。両家も家族のように過ごしてきたという。イ会長は2022年3月の大統領選挙を前に、尹錫悦候補への支持を宣言してもいる。 そんなイ会長は10日、光復会学術院の主催する特講で、「(尹大統領に)かなり裏切られたと感じている」と述べた。以前の対話で「侵略戦争を起こした戦前の日本と、平和憲法を守る戦後の日本とを区別しよう」と述べた尹大統領を信じたが、国策機関長にニューライトの人物を任命した一連の人事を見て、「これは違う」と判断したという。イ会長は、自身が相次いで公開の場で抗議している背景として「韓国にいる反逆者が日本の右翼と内通し、むしろ前戦の日本と同じ道を歩んでいるという危機感」をあげた。 イ会長が危機感の根拠としてあげたのは、政府の「1948年建国節」推進の動きだ。同氏は「1948年建国を執ように推進し、戦前に日本が与えた被害を無条件に忘れろと言うのは、韓日国交樹立以来、韓国政府が堅持してきた『日帝の植民地支配の正当化は許さない』という精神に正面から背くもの」と述べた。そして今回の事態は「大統領周辺の密偵たちがこの芝居を企てたと考える」として、大統領室内のニューライトの人脈の清算を遠まわしに訴えた。 キム・ヒョンソク館長が就任後に「私はニューライトではない」と述べたことについても、「ニューライトは密偵だ。密偵が自分のことを密偵だと言ったことがあるか。ニューライトも自分のことをニューライトだと言う人はいない。まるで練炭ガスのように、形はないのに被害は甚大だ」と反論した。 光復会の反発にもかかわらず、大統領室はこれといった反応を示していない。大統領室の関係者はハンギョレの電話取材に対し、「光復会は報勲部と話すべきだと思う。私たちは(イ会長らの)昼食会と慶祝式への出席を今も希望している」と述べた。 光復会は、政府主催の第79周年光復節記念式には参加せず、15日午前10時にソウルの白凡(ペクポム)記念館で独立運動団体連合とともに独自の光復節記念式を行うことを決めたと表明している。 クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )