世界が注目するインド人旅行者、海外旅行者数は2028年までに3900万人の予測、高級志向の高まりで旅行スタイルにも変化【外電】
世界が注目するインド市場。変化するインド人の旅行スタイルについて、米観光産業ニュース「スキフト(Skift)」がリポートしている。 Visaのインド・南アジア越境決済責任者のSridhar Keppurengan氏は、インド人旅行者について、より没入感がある特別な旅行体験を好むようになっていると話す。「オーダーメイド体験に対する需要の高まっている。2024年1月から3月にかけてインド人旅行者による高級品や免税品の購入が前年比250%増加し、食事、宿泊、交通費の支出を上回まった」と話す。 旅行比較スカイスキャナーは、「Travel Trends 2025」レボートのなかで、インド人旅行者の7つのトレンドを明らかにしている。それによると、スポーツ、星空観測、ウェルネス、没入型アート、園芸、ゲームなどの体験が2025年の旅行を牽引すると予測した。 2024年/2025年の年末年始、インド人旅行者は増加の一途をたどった。スカイスキャナーによると、今年のクリスマス期間の国内旅行の検索数は昨年に比べて32%増加。海外旅行の増加率も29%。国内では、ニューデリー、バンガロール、ムンバイ、コルカタ、ゴア、海外でははロンドン、ドバイ、バンコク、クアラルンプール、トロントの検索が多い。 ブッキング・ドットコムも、国内旅行の検索数が前年比40~100%増加。アゴダでも海外の宿泊施設検索が53%増加したことを明らかにしている。 ▼国内で進むインフラ開発 インドでは国内のホテル開発も進んでいる。アコーは、海岸沿いのゴア州に2つの高級ホテルを開発するためにダンガヤチグループと提携したことを発表。1つの施設は「ラッフルズ ホテルズ & リゾーツ」、もう1つは「フェアモント ホテルズ & リゾーツ」になる。両施設とも2030年までに開業する予定だ。 コルカタのネタジ・スバース・チャンドラボース国際空港は、国際便のハブ空港を目指し改修が進んでいる。現在は64都市に就航しているが、まもなくその数は100都市まで拡大する計画だ。 インドの豪華列車「ゴールデンチャリオット」が、インド人旅行者の高級志向の高まりを受けて、6年ぶりに運行再開した。この18両の観光列車は2018年に導入されたが、運行コストの高さと乗客数の少なさから、導入後すぐに廃止されていた。 専用バスルーム付きの客室が44室。車輪の付いた高級ホテルとして旅行者に高級な滞在を提供することを目指している。WiFi、グルメレストラン2軒、ラウンジバー、スパ、フィットネスセンター、ビジネス施設が備わっている。大人2人の料金は、3日4泊の旅程で6700ドル(約106万円)、5泊6日では1万50ドル(約159万円)。 ▼2028年までに海外旅行者3900万人に 旅行テクノロジー企業トラべポートによると、インド人海外旅行者数は年間で8%で成長し、2028年には3900万人に達すると予想されている。トラベルポートのグローバルマネージングディレクターであるマーク・ミーハン氏は、「2023年、インドでは国内旅行が26億回行われ、旅行費用は約1050億ドル(約16.6兆円)に達した。海外旅行はコロナ前の水準を超えている」と明らかにした。 インドの航空会社の国際線におけるシェアは、パンデミック前の35%から現在46%に増加しているという。 ※ドル円換算は1ドル158円でトラベルボイス編集部が算出 ※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。 ▼オリジナル記事:What Indian Travelers Are Looking for in 2025 ― India Report https://skift.com/2024/12/24/what-are-indian-travelers-looking-for-in-2025-india-report/ 著者:Bulbul Dhawan氏
トラベルボイス編集部