すかいらーく「しゃぶ葉」コミュニティ運営でUGC増加! 成功要因:入会ハードルをあえて高く設定
コミュニティマーケティングが注目される背景と、SNSとの相違点
「しゃぶ葉さまのように、企業のコミュニティ運営が増えている背景には、時代による情報量の変化が挙げられます。決して集まることが目的ではありません」と小父内氏。
これまではマスに向けて、テレビCMを流せば売上につなげることができていたが、現代では情報があふれかえっており、届けたい人へメッセージが届かない状況だ。またサードパーティークッキーの規制により、オンライン上で顧客理解ができなくなることも、コミュニティ運営が注目される理由のひとつである。 ┌────────── 『パレートの法則』と言われるように、2割のお客様が8割の売上を占めており、なかには1割のお客様が6割の売上をつくるケースもあります。コミュニティなら、企業が伝えたい情報を直接“ロイヤル顧客”に届けることができるほか、お客様の生の声をサービスに反映することも可能です。 またリピーター顧客に比べて、新規顧客の獲得コストは5倍かかるとも言われています。それなら、少ない費用で今いるお客様を大切にしようという考え方です。企業の事業活動すべてにおいてメリットがあり、お客様を知るための方法として、コミュニティが最適解だから選択されているのです(小父内氏) └────────── たとえば、とある菓子メーカーの商品企画のケースでは、新商品を生み出してもヒットするのはせいぜい1~2割と担当者は嘆いていた。これがcoorumでコミュニティ運営をし、顧客の声を直接聞いて商品化すれば、勝率は5割以上に引き上げることも可能だという。 ちなみに「coorum」とは、「community(コミュニティ)」と「forum(フォーラム)」を掛け合わせた造語である。しゃぶ葉のように店舗をもつ業態の他、食品や飲料、製造などのメーカー系が多いが、BtoB企業にも利用されている。 しかし、これまでもSNSを通じて企業と顧客はコミュニケーションを行ってきた。これまで使われてきたSNSとcoorumはどう異なるのだろうか。「相違点は大きく3つある」と小父内氏。 ■ [相違点1] コミュニティは参加者に対してフィルターをかけることができる SNSだと発言している人が本当にファンなのか、どの程度利用しているのか、発信されている「声」に対する信用度を確認することができない。それに対して、コミュニティなら参加者の属性でフィルターをかけることができる。 ┌────────── コミュニティは“企業の公式の場”となるため、参加者にとっても安心して使える点が魅力です。また自分の発言に対して、他の参加者がすばやく建設的にフォローしてくれるのでポジティブで、あたたかい世界です(小父内氏) └────────── ■ [相違点2] コミュニティにはストック性がある X(旧Twitter)をはじめとするSNSは、次から次へと情報が流れていくリアルタイム性が特徴である。一方コミュニティは、情報を蓄積するストック性がある。顧客の声を企業の資産にできる。新しいメンバーも過去の情報が整理されていることで、違和感なくコミュニティに参加することができる。 ■ [相違点3] コミュニティはデータ分析ができる