「この出っ張り、いったい何?」ドアミラーの付け根…ほか “トヨタ車にほぼ付いている”小さな突起の効果を自動車ライターが解説
トヨタ車オーナーであれば気がついているかもしれない。ドアミラーの付け根やテールランプのサイドなどに小さな出っ張りが付いていることを。細長くて、突起というよりも出っ張り程度のもので、クルマによっては2つぐらい付いていることもある。 ⇒【関連写真】「あなたのクルマ、車検に落ちるかも」 8月から始まる“新検査基準”が結構シビアに……思わぬ出費に備えて! そもそも車種としてかなり幅広くて、普通乗用車以外にもハイエースや軽自動車にも付いているし、レクサスの一部にもあり。軽自動車はダイハツからOEM供給を受けているものなので、逆を言えばダイハツ車にも付いているし、最近関係を深めるスバルでも見かける。ただ、スバルの場合はルーフの後端に付いていたり、独自の形状というか模様になっていたりする。
この出っ張り、何の目的?
ほぼすべてのトヨタ車とその仲間に付いているこれ、なにが目的なのかというと、空力の向上だ。以前、トヨタがF1に参戦しているときに、車両開発時に発見したという由緒正しいもので、小さな出っ張りでも絶大な効果があるため、ここまで普及しているのだ。理屈としてはけっこう難しくて、仕組みだけ紹介すると、ボディ表面に乱気流を起こして、それによって走っているときの空気抵抗を少なくするというもの。リヤまわりの挙動を落ち着かせたり、ドアミラーまわりで発生する風切り音を抑えるなどの効果があるという。 名称はボルテックスジェネレーターで、日本語にすると「渦巻き発生器」。トヨタではエアロスタビライジングフィンと呼んでいる。同じ効果を狙ったものは飛行機の翼や新幹線のパンタグラフに付いているし、ゴルフボールの表面がデコボコしているのも効果としては同じだ。しかし、小さな突起程度でほんとに効果があるのかと、じかに開発担当者に聞いたことがあるが、あるとなしではかなり違うとのこと。
ネットでこの出っ張りだけ売られている
これは実際に誰でも試してみることが可能だったりする。どうすればよいかというと、ネット通販を中心にこの出っ張りだけ売られているのだ。安くて、気軽に装着できるのもいいところである。装着するのはトヨタ車を真似て、ドアミラーの付け根やテールランプのサイド。またスバルのBRZやWRX、以前は三菱のランサーエボリューションVIIであったようにルーフの後端に並べるように付けてもいい。 ひと通り付けたところで実走してみると、違いがわかることが多い。空力だけに高速走行では如実だ。安いものだし、両面テープで貼るだけなので、効果がなければ剥がしてしまえばいい。また場所によって効果の出方に大小があるので、場所を変えてあれこれ試してみるのも楽しいだろう。 文/近藤暁史
MonoMaxWeb編集部