打感ってそんな大事!? 飛距離が出て真っすぐ飛べば良い気がするけど… アイアン選びで重要なポイントとは?
上級者は打感をもとに飛距離をある程度加減できる
クラブを選ぶ基準として「打感の硬い・やわらかい」が取り上げられることがあります。硬いと「飛距離が出る」、逆にやわらかいと「操作しやすい」といったイメージを持つ人が多いです。 【写真】ネックに「S-3」の刻印が! これがミズノ契約プロ絶賛の新アイアン&ウェッジです
特にアイアンは「打感を重視すべき」という意見をよく耳にしますが、そこまで重要なポイントなのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は、以下のように話します 「アイアンは、軟鉄鍛造アイアンとステンレス鋳造アイアンで大きく2種類に分かれます。前者は炭素を多く含まない比較的純粋な鉄を使っており、その名の通り金属の中ではやわらかい方に分類されます。一般的にアイアンで打感を重視している人はこちらを選ぶことが多いです」 「しかし、ヘッドがやわらかいこともあって飛距離が出にくいとされています。また製造工程が多いことや素材の値段により比較的高価になることも特徴の一つです」 「ステンレス鋳造アイアンは、溶かした素材を型に流し込み、冷やし固めてつくります。基本的に製造工程がシンプルで、かつ素材も安価なためビギナーでも買い求めやすい価格設定になっています。一方で最近は上質な素材を使ったり、複雑な構造をしていたりと製造に手間がかかる高級モデルも増えており、バリエーションが豊富なのも特徴です。硬いヘッドで飛距離も出やすいことから、最近はアイアンの主流となっています」 「アイアンで打感を重視すべきかどうかは、一人一人の感覚による部分が大きいですが、インパクト時の感触をもとに距離や方向性を打ち分けたい人は、打感が優れている軟鉄鍛造を選んだ方がいいと思います」 軟鉄鍛造がプロや上級者からの支持を集めるのは、打感をもとに飛距離をある程度加減できる点にあるようです。
ヘッドの構造でも打感は変化する
ほかにも三浦氏は「アイアンの構造によっても打感の良し悪しは変わってくる」と話します。 「アイアンのヘッドは素材だけでなく構造でも“マッスルバック”と“キャビティーバック”に大きく分かれていて、よりやわらかい打感を求めているのであれば前者をオススメします」 「これらの違いはフェースの厚みにあり、マッスルバックは1センチ程度と厚く、インパクト時に強い衝撃が加わってもあまりたわみません。対して、キャビティーバックはバックフェースをくり抜いたような形をしており、インパクト時にたわみやすくなっています」 「飛距離やミスショットへの寛容性に長けているのはキャビティーバックですが、打感でいうと人によっては少々軽く感じるかもしれません。マッスルバックは厚みがあって吸い付くような感触を覚え、やわらかい打感を得ることができるでしょう」 なお、一般的にビギナーやアベレージゴルファーは“直進性”を、プロゴルファーや上級者は“操作性”を重視する傾向が強いといわれます。ビギナーのうちは飛距離もあまり稼げないので「ボールを機械的に飛ばしてくれる」ステンレス鋳造やキャビティーバックが向いているかもしれません。 スキルアップして「球筋を意のままに操りたい」という気持ちが芽生えてきたら、軟鉄鍛造やマッスルバックを選んでみると、また新しいゴルフの楽しさを感じられるようになるかもしれません。
ピーコックブルー