皇族の減少どう防ぐ?女性・女系天皇の議論は棚上げに? 八木秀次氏「“男系継承”は民間にはない皇室の特殊な原理。正当性に繋がる」
安定的な皇位継承をめぐり先週から、与野党の代表者らによる議論が始まった。懸念されているのが、皇族の減少。皇族の女性が結婚された場合、皇室典範の定めに従い皇族の身分を離れることになる。公務の担い手が不足していくことや、天皇の国事行為を代行できる皇族がいなくなることも懸念されている。 【映像】春の園遊会の様子 天皇陛下と秋篠宮さまの他は全員女性 また、皇位継承の観点で見てみても、資格を持つのは男系の男子のみで、現在は秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまの3人。次世代の担い手は悠仁さましかいない。 これからの皇室はどう在るべきか。そして女性天皇、女系天皇の議論は進んでいくのか。『ABEMA Prime』で議論した。
■持続可能な皇室どう確保?与野党協議2案の中身とは
与野党協議では、2022年に政府有識者会議が提出した報告書の皇族数確保2案を軸に議論されている。1つは、女性皇族が結婚後も皇室に残る案。これには多くの党が賛同しているが、結婚後に生まれた子の身分をどうするかは意見が分かれている。2つ目が、戦後まもなく皇室を離れた旧宮家の男系男子を養子縁組によって皇族に復帰させるというものだ。 麗澤大学教授で安倍元総理のブレーンでもあった憲法学者の八木秀次氏は「この1案と2案はどちらかではなく、セットとして出されているもの。それでも十分な皇族数が図れない場合の第3案として、養子縁組を経ず法律によって皇族にするというものも用意されている。皇位継承の話と絡められがちだが、そことは切り離して、皇族数を確保するという議論であることが重要だ」と説明。
1つ目の案について、自民党は「配偶者・子は一般国民とすべき」、立憲民主党は「配偶者・子を皇族にすることも含め検討すべき」としている。自民党で元デジタル副大臣の小林史明衆議院議員は「例えば、小室圭さんと結婚された眞子さんに、引き続き皇族として活躍いただきたいというのが自民案。一方、眞子さんも小室さんも皇族になっていただきたいというのが立憲案だ。“皇族の方と結婚すると自分も皇族になる”というのは、当事者としても結構大変だと思う。また、セキュリティ・クリアランスも厳しくなり、当人だけでの判断が難しくなってくる。つまり、自由恋愛ができなくなる可能性がある。さらに、野心的な国の思想を持った人が皇族女性の配偶者になる可能性もあるので、1案は自民案が良いと思う」と述べる。