八人町小跡に複合施設 富山市 29年度利用開始目指す ホールや子どもの遊び場
●防災拠点、備蓄倉庫も 富山市は、2005年3月に閉校した富山市中心部の八人町小(八人町)の跡地に、ホールや住民の交流の場、子どもが遊べるスペースを備えた複合施設を整備する。関係者への取材で分かった。防災拠点として備蓄物資の倉庫も設置する。早ければ26年度に老朽化した旧校舎の解体に着手し、29年度の利用開始を目指す。 八人町小跡地は敷地面積9834平方メートルで、体育館は閉校後も地元のスポーツ活動に使われている。行政の窓口業務を行う地区センターと公民館、旧幼稚園の建物を活用した「八人町地区ふれあい会館」が隣接する。 複合施設はこれらの機能を集約し、ホールで軽運動を行えるようにし、習い事に利用できる部屋を設ける。子どもの居場所となるスペースを新設し、子育て世代の交流を促す。敷地の一部には広場を整備する。 旧校舎は20年度まで市教育センターとして利用されたが、その後はほとんど使われていない。富山駅から約1キロの距離に位置し、市は民間による跡地活用の可能性調査などを行ってきたが、具体的な活用法は決まっていなかった。 市は昨年度から、グラウンドを会場に官民連携で「ハチマルシェ」と銘打ったイベントを始め、跡地活用の機運を高めてきた。地元でも自治振興会役員らによる「旧八人町小学校跡地利活用検討委員会」が設立された。地元の意向も取り入れ、複合施設の整備が決まった。 複数の施設の複合化により、住民の利便性向上や維持管理費の縮減を図る。旧校舎は耐震基準を満たしておらず、解体することで地域の安全にもつながる。 市は新年度から基本計画の検討や設計を進め、27~28年度に新施設を建設する。新年度当初予算案に設計の経費を計上するとみられる。