【子どもの近視】1日2時間の「外遊び」が効果あり!ゲームも読書も屋外で!?
1日2時間以上、屋外で過ごすことが効果的
では、子どもが近視にならないようにするには、日頃からどんなことができるでしょう。 「1日2時間以上屋外で過ごすと、近視の進行を抑えられることが分かっています。この“2時間”は連続ではなく、途切れ途切れの合計でも大丈夫。 実は台湾ではすでに、小学生を対象に、学校で1日2時間程度は屋外活動をすることが義務づけられています。その取り組みによって、子どもの近視も実際に減り始めているんですよ」 屋外で過ごすだけで効果があるのは驚きです。“屋外”が目に良いのはどうしてでしょう。 「理由は2つあります。1つは、屋外で過ごすことで、遊びや運動の中で自然と“遠くを見る”状態になること。 遠くを見ることで、目のピントを調整できるのと同時に、“屋外で遠くを見る”ということも重要です。屋外であれば、遠くを見たときに、屋内のように周辺のごちゃごちゃとしたものが目に写りこむことも少ないですから。 遠くを見るために、わざわざ山に行ったり、星を見に行ったりする必要はありません。近視にならないようにするには、公園や学校の校庭などで遊ぶだけで十分なんです」 遠くを見るのが目に良いことは知られていると思いますが、その理由のひとつは“手前にものが写りこまないから”なんですね。窪田先生によると、屋内であっても半径5m以内に何もない空間にいることができれば、目には悪影響がないとのこと。 ただ、それは現実的にはなかなか難しいので、やはり外に出るのがよさそうです。 「屋外が近視にいいもう1つの理由は、太陽光を浴びることです。はっきりとしたメカニズムは現在研究中ですが、太陽光には近視になるシグナルを抑える効果があることがわかっています。 必ずしも直射日光を浴びる必要はなく、屋外であれば日陰でもOK。ただし、太陽光の波長をそのまま浴びることが重要で、ガラスを通してしまうとフィルターがかかってしまい、効果はありません」 つまり、室内で窓ガラス越しに太陽光を浴びても近視を抑える効果はない、ということなんですね。 「はい。極端かもしれませんが、私の知り合いの眼科医は、お子さんがゲームをするときに必ずベランダでさせていたそうです。 効果のほどは分かりませんが、中学生になっても近視になっていないそうなので、少なくとも室内でゲームをするよりは目には良いのではないでしょうか」 どうせゲームをするなら、せめて屋外で……という眼科医の親ならではのエピソードですね! 近視を抑えるためには日陰でも効果があるとのこと。夏の間は熱中症にも注意しながら、日陰で工夫して過ごしたいところ。 2024年に文部科学省から発表された『児童生徒の近視実態調査』でも、90~120分の毎日の屋外活動が、子どもの近視に実際に効果があることが記されています。 ただ現実的には、今の日本の子どもたちが、毎日屋外で2時間過ごすというのは、なかなかに難しい環境ですよね……。学校の休み時間に外に出る習慣をつけるほか、サッカーや野球など、屋外で過ごす競技のチームに入って、定期的に外で過ごす予定を入れる、というのも一つの方法かもしれません。