三菱マテ、鉛フリー耐摩耗性銅合金生産へ。25年初旬から三宝製作所で
三菱マテリアルは2025年初旬から鉛フリーの耐摩耗性銅合金生産を開始する。顧客の生産スケジュールに合わせて三宝製作所で生産・販売を開始する計画。 一般的に耐摩耗性銅合金は切削加工性を向上させるため鉛を添加する。ただ、26年に欧州で強化される見込みのRoHSやELVといった環境規制に備え、鉛フリーでも同じ特性を発揮する耐摩耗性銅合金へのニーズがあった。 新発売する鉛フリー黄銅棒の「UH13―HG」は、ベースとなる黄銅に固溶元素を添加するとともにマンガン―シリコン系の微細で強固な金属間化合物を分散析出させることで、UHシリーズの中で最も高い強度と耐摩耗性を実現した。 摺動部品の軸受・ギア向けで、強度の優位性からステンレス、りん青銅の代替によるコスト低減が可能。 「鉛フリー黄銅シリーズで、耐摩耗性を求めるお客さまにはUH13―HGを提案する。そのほか『エコブラス』は強度・切削性・耐食性に優れている。『グローブラス』は、鉛入り快削黄銅の代替としてコストパフォーマンスに優れており、使い分けによってより広い分野での採用を期待している」(営業担当者)として、顧客が求める用途や価格帯に合わせて提案する方針だ。