やっぱりクルマは自分のものにしたい……ってのは古い考え方? 買えない人気車に乗れるけど最後は返却する「サブスクサービス」を考える
リースは代金を支払っても自分のクルマになることはない
注目度の高い新型車のランドクルーザー250は、2024年5月中旬時点で、多くの販売店で「注文が販売会社に割り当てられた台数の上限に達したから、受注を停止させている」となっている。ところが定額制カーリースのKINTOを使った場合は、5~9カ月で納車される。 【写真】KINTOだからできる! アップデートできる装備の内容とは そこでKINTOの利用を検討すると、購入と異なる点が多い。一番の違いは、リース期間が満了しても自分の所有にできないことだ。リースには、契約期間を終えたあとで買い取りの可能なタイプもあるが、KINTOはそうなっていない。3年/5年/7年という契約期間が満了したら、必ず返却しなければならない(一部リース期間の延長は可能)。 このような仕組みが採用される理由は、KINTOには「KINTO ONE 中古車」もあり、KINTOで使われた車両を有効活用するためだ。リース期間を終えた車両をユーザーが購入できたら、KINTO ONE 中古車での活用ができなくなってしまう。 そのため、KINTOでは取り扱い車種にも特徴があり、すべてのトヨタ車が対象ではない。たとえばカローラの場合、SUVのカローラクロスやワゴンのツーリングは用意されるが、セダンや継続生産型のフィールダーとアクシオは選べない。KINTO ONE 中古車で活用することを視野に入れ、いわゆるリセールバリューのいい売れ筋車種を揃えているためだ。 同じ理由で、リセールバリューを保つことを視野に入れ、ユーザーの使われ方にも制約が生じる。たとえば走行距離は3年契約で5万4000km、5年なら9万kmといった上限が決められ、これを超えると契約終了時に精算が生じる。車内での喫煙、サーキット走行なども禁止される。KINTOに尋ねると「ペットや盲導犬を乗車させて車内にニオイなどが付着した場合も、車両を返却するときに現状に回復する費用を違約金として請求させていただく場合がある」という。事情はほかのカーリースも同様だ。 いまはクルマの使われ方が多様化しており、比較的若いユーザーは、携帯電話などを含めて定額制によるサブスクリプションサービスに慣れている。「買う」のではなく、お金を支払いながら「使う」という形態が馴染みやすい。 とくにクルマを購入すると、税金、自賠責/任意保険料、車検/点検費用などを支払わねばならない。定額制に慣れていると、これらの出費が煩わしく、クルマの所有に対して不安も生じる。そこでKINTOでは、任意保険まで含めて、すべてを定額制にするサービスを実現させた。その代わりユーザーは買い取りができない。常にお金を支払いながら利用するサービスであるからだ。 個人的にはクルマに惚れ込み、まさに「愛車」となり廃車にするまでずーっと一緒に居たいと考える。私のような昭和生まれのクルマ好きにとって、サブスクリプションは利用する気分にならない。惚れた相手は、何事によらず、どうしても手に入れたい。7年後に別れるなんて、絶対に嫌だ。
渡辺陽一郎