玉木雄一郎「不倫より政策」がスキャンダル報道を変える? かつては武勇伝、今は命取り「政治家の下半身」問題の今後
今回は政治家のスキャンダルについて考えてみたい。衆院選で議席が4倍に増え、一躍時の人となった国民民主党の玉木雄一郎代表に不倫報道があったからだ。政治家のスキャンダル、もっといえば「下半身」報道はいつからあったのだろう。 【画像】ノースリーブでセクシーなコスプレ姿の小泉みゆき氏 私の記憶でいえば昭和の頃は政治家のプライベートはスキャンダルにならないばかりか、田中角栄の愛人報道のように武勇伝的な扱いだったとすら思う。
「下半身」報道の皮切りとなった宇野首相の愛人問題
それが変わったのは、昭和が終わり平成元年となった1989年だ。この年はリクルート事件で自民党に逆風が吹いていた。竹下登首相は責任をとる形で退陣。「ポスト竹下」と言われていた安倍晋太郎や宮沢喜一は首相になれなかった。 リクルート株はまんべんなく自民党内にいきわたっていたので大物ほど身動きがとれなかったからだ(裏金問題で揺れる最近の自民党と状況が似ている)。 そんななか首相になったのは、外務大臣などのキャリアがあった宇野宗佑だった。大穴的な存在の「抜擢」に当時10代だった私は驚いたものだが、とにもかくにも宇野首相で自民党は参院選を戦うことに。しかし就任直後に『サンデー毎日』が宇野氏の元愛人の告白を報道したのである。 ただでさえ自民党はリクルート事件、消費税スタート、農産物自由化問題の「三点セット」と言われていたうえに首相スキャンダル。参院選は惨敗し宇野政権はわずか2カ月の短命に終わった。 当時の報道を『サンデー毎日』は次のように振り返る。 『平成初の本誌「特大スクープ」!「宰相の器」を問うた“三本指”』(2022年1月30日号) 女性Aさんが東京・神楽坂で芸者をしていた85年、宇野氏と金銭を介した性的関係を結んでいたと誌上で暴露した。女性の手の真ん中の三本の指をギュッと握り、これでどうだと言ったという「三本指」告白である。 《もっともその頃、有力政治家が芸者の旦那になり、金銭の面倒を見ながら特別な関係を結ぶことは珍しくなく、彼らの「下半身」を書かないのがメディア側の不文律でもあった。》(『サンデー毎日』前掲号)