玉木雄一郎「不倫より政策」がスキャンダル報道を変える? かつては武勇伝、今は命取り「政治家の下半身」問題の今後
「103万円の壁」どころではない相手女性との“格差”
もう一つの論点は、もはや昭和ではないということだ。玉木氏の相手の女性は高松市観光大使を務めていた。同市の担当者は、「女性の解嘱も含め検討しています」とメディアの取材に答えている。もし相手女性だけが職を失えば、不倫報道の結果の格差をまざまざと見せつけられる。 女性が今後も仕事の機会を失えば「103万円の壁」どころではない。一人の人生を危うくしてしまう。さらに言えば、この格差は昭和の政治家の「愛人武勇伝」と同じくらい男性優位が変わっていない証明にもなる。
「妻に𠮟られた」の既視感
玉木氏は会見で「妻からも息子からも、叱責を受けた」と話し、妻への思いを語った。既視感があるなと思ったら、あの森喜朗氏と同じだった。2021年に東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の会長だった森喜朗氏は「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と述べ、女性差別だと問題になった。批判が集まると森氏は記者にこう述べた。 「昨夜、女房にさんざん怒られた。(略)今朝は娘にも孫娘にもしかられた」 妻に叱られたアピールをした森氏だが、このあとの「謝罪」会見では記者の追及に逆ギレ。何もわかっていないことを見せつけてしまう。玉木氏が会見で妻を語るくだりには久しぶりに森氏を思い出した。 そして、何より政策が大事となったとしてもスキャンダルが政策に影響することはないだろうか。国民民主党は所得税が課される年収の基準を103万円から178万円に引き上げることを掲げている。 政策実現を盾にスキャンダルから逃れたことは逆に玉木氏を意固地にすることにならないか。「178万円」で押し切れるのか、協議が順調に進むのか。その点も気になるのである。というわけで今回は政治家のスキャンダル報道の変遷について考えてみました。
プチ鹿島