玉木雄一郎「不倫より政策」がスキャンダル報道を変える? かつては武勇伝、今は命取り「政治家の下半身」問題の今後
当時編集長だった鳥越俊太郎氏は...
しかし当時の『サンデー毎日』編集長でジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、「政治家が女性と不倫し、肉体関係を持ったとしてもそれだけなら報道しない。宇野氏は彼女をホテルニューオータニに電話で呼び出し、国会を抜け出して会っていた。性交渉の対価としてカネを払っていた。これは『買春行為』であり、許されないと判断しました」。 鳥越氏の言葉どおりなら不倫より買春を問題視して報道したということになる。ただ、この報道がきっかけで政治家の「下半身」報道がオープンになった。ついでに言うと、鳥越俊太郎氏は2016年に都知事選に立候補した際に、女性問題を週刊文春に報道された。因縁めいている。 まさしく平成になった瞬間から、政治家の「下半身」報道は普通になった。最近の例をざっと挙げてみると宮崎謙介衆院議員(2016年・議員辞職)、山田太郎参院議員(2023年・文科政務官辞任)、広瀬めぐみ参院議員(2024年・自民党県連副会長辞任・議員辞職)、宮沢博行衆院議員(2024年・議員辞職)といった面々だ。議員を辞職したり役職を辞めている(広瀬めぐみ氏は政治とカネの問題が直接の理由)。
これで本当に国民生活を守れるのか
それでいうと今回の玉木雄一郎氏の去就が注目されたが、現時点では代表も議員も辞めていない。ニュース番組での街の声を見ていると厳しい声は当然あるが、「政策とプライベートは別」という意見も見るようになった。 玉木氏擁護の理由にはいわゆる「年収103万円の壁」の見直しを訴えて衆院選で支持を集めたことも大きいのだろう。もしこのまま「対決より解決」ならぬ「不倫より政策」となれば、長く続いた政治家のスキャンダル報道の潮目が変わる可能性がある。その意味でも注目なのだ。 ただ、私は玉木氏が誰それと不倫という視点より、そのまわりに浮かぶ現実のほうに問題を感じる。まず衆院選後に時の人となり、いわば“玉木氏史上”もっとも世間から注目されていたときにあのような行動をしてしまう迂闊さ、軽さ。これで本当に国民生活を守れるのか、危機管理を任せてよいのか。不倫より資質そのものへの疑問である。