「リニア開業時期の変更、ショック受けた」と長野県知事 JR東海社長とのトップ会談で
情報公開求める声を受け、初の全面公開
長野県の阿部守一知事とJR東海の丹羽俊介社長が県庁で22日、リニア中央新幹線事業を巡り意見交換する「トップ会談」に臨んだ。JR東海は3月下旬、東京・品川―名古屋間の開業時期について、当初目標とした2027年からの延期を発表。こうした動きを巡り、情報公開を求める声が高まっているとして、初めて報道機関に全面公開した。 【写真】リニアを巡り会談する長野県知事とJR東海社長
当初目標とした2027年からの延期…「地域の理解を得ながら進めて」と県知事
22日午後に県庁で開いた会談で、阿部知事は、開業時期の変更に対して、地域としてはショックを受けたとし、「地域の理解を得ながら事業を進めていただきたい」と強調した。
丹羽社長は、静岡工区以外の工事でも「一部順調とは言えないところが出てきている」としたものの、「早期の完成を目指して全力で取り組む方針に変わりない」と強調。「地域との連携を重視して早期開業を目指して全力を挙げて取り組んでいく」と述べた。
遅れにつながった静岡工区の問題、一日も早く解決してほしい
開業時期の明確化、県内工区の早期完成を巡り、阿部知事は「(開業時期の変更は)落胆が大きい」とし、行政、企業、地域が2027年開業を目指して進めてきたさまざまなプロジェクトが変更により大きな影響が出ることを踏まえ、「地域振興、観光振興にこれまで以上に積極的に取り組んでほしい」と注文。遅れにつながった静岡工区の問題を一日も早く解決するとともに、早期に開業時期を明らかにするよう求めた。
県内工区に関しては、できる限り速やかに進めるよう求めた一方、地域によっては時期を平準化した方がプラスとの声もあるとし、「地域の皆さんとよく協議をした上で決めていただきたい」とした。
JR東海社長は「重く受け止めている」
丹羽社長は「重く受け止めている」とした上で、開業時期の明確化は、延期に直結している静岡工区のトンネル掘削工事に着手してからでなければ出せないとし、時間を要することへの理解を求めた。県内工区に関しては、「最大限の努力をしていく」とし、やむを得ず工期の変更が生じた場合には、変更したことやそれに伴う影響について「しっかりコミュニケーションをとってご理解いただきながら進めていきたい」とした。