ネタニヤフ首相、イランの再報復攻撃を牽制 「3500億円無駄に」
イスラエルのネタニヤフ首相は12日、敵対するイランの国民に向けた声明を発表した。イランによるイスラエルへの報復攻撃はイラン経済に大きな打撃を与えると警告。イランの現体制がいかに市民の生活を抑圧しているかを市民に訴えることで、指導部への揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。 【写真】イスラエル軍殺害のハマス最高幹部シンワル氏とは 敵味方に恐れられ イスラエルは10月26日、イラン国内のミサイル製造施設や防空システムなどの軍事施設を破壊した。これに対し、イランが近く、イスラエルへの再報復の攻撃に踏み切るとの観測が出ている。 イランは10月1日にイスラエルを約200発の弾道ミサイルで攻撃した。ネタニヤフ氏は声明で、イランはこの攻撃に23億ドル(約3500億円)を費やしたとし、「あなた方の貴重なお金が無駄に使われた。ミサイルはイスラエルにわずかな被害を与えたが、この金額は交通や教育の予算に追加できたものだ」と訴えた。 その上で、ネタニヤフ氏は「イスラエルへの新たな攻撃は、イラン経済をまひさせるだけ。あなた方から何十億ドルも奪うことになる。テヘランの暴君たちが、あなたの家族を危険にさらそうとしている」とイランの現体制を批判した。(其山史晃)
朝日新聞社