「下着の話」はタブーなの?多くの親子が感じるブラジャーの不安 企業・学校が試みる『下着教育』とは
田島さんは、約2年前に公立学校での『下着の教室』の実施を自治体に相談。しかし、具体的な検討には至りませんでした。 田島さん「日本人にとって『下着』というと何か『言ってはいけないこと』のような扱いになっている。まだまだオープンにできなくて、下着の教育が浸透しにくい状況だと思います」 「それがいま、フェムテック(※)など女性の体や健康に目を向ける社会に変化しつつあります。その流れに乗って、若い子たちに伝えたいと思うようになりました」 (※)フェムテック:女性特有の悩みをテクノロジーで解決しようとする取り組み 学生向けの講座は今回が2回目。そこで、今回の講座を開くにあたり資料の言葉選びを工夫しました。 「ファンデーション」などの表現は、「下着」「ブラジャー」といったキーワードに対する心理的なハードルを下げることが狙いです。 講座は、下着が「肌に一番近い部分で心身を支えるもの」として、「あなたを輝かせてくれる“魔法のアイテム”です」という言葉で締めくくられました。 ■教育現場から「娘の父親」として 参加者の中には、生徒だけでなく、頷きながら聞き入る男性の姿もありました。田島さんと共にこの講座を企画した村井孝年(むらい たかね)教諭です。 熊本マリスト学園 村井孝年 教諭「学校はもともと男子校だった(※)ので、女性に関する取り組みについては弱い部分がありました」 (※)熊本マリスト学園中学校・高等学校は2000年度から共学化 学校として「女性のための取り組み」を進めるきっかけを作りたいと思ったものの、実現には時間がかかったといいます。 村井教諭「教育現場では第一印象や前例の有無で『イエス』『ノー』が決まってしまう。そこを(校内で)理解してもらうことが苦労しました」 自身も小学3年生の娘がいる村井教諭。ひとりの父親の立場から『女性ならではの変化』を理解したうえで、家庭内のコミュニケーションにつなげたいと話します。 村井教諭「これから思春期を迎える娘は、父親には話しにくいことも出てくるでしょう。だからこそ自分は『ちょっと遠く』から、母親と一緒に変化に対応できれば」