「下着の話」はタブーなの?多くの親子が感じるブラジャーの不安 企業・学校が試みる『下着教育』とは
上地さん「親世代と比べて子どもの成長が早くなっていて、情報のアップデートが追いついていないことがあります。サイズが体に合うとすごく快適になるので、何とかメリットを周知できればと思っています」 一方、学校独自に行っている『下着教育』もあります。そこには、教育現場ならではの“難しさ”も伴うようです。 ■ブラジャーは「首から下のファンデーション」 2024年7月、熊本市の私立学校で、夏休みの中高生を対象に『下着の教室』を初めて開催しました。 講座ではスライドショーを使って、ブラシャーの選び方や付け方を解説。正しく着用することで「体を清潔に保つ」「体温を調節する」ことのほか、体調や姿勢、見た目を整え、自信にもつながることが説明されました。 参加者のうち中学生グループの5人は、口をそろえて「自分のサイズを正確に測ったことはなかった」といいます。 参加した中学生たち「自分のサイズは考えたことがなかった」「普段はネットでお母さんが買っています」「服屋さんや専門店で買うのは気まずくて…」 こうした生徒たちに向けて、印象的なのは「ブラジャーは“首から下のファンデーション”です」という講師の言葉。資料にも「インナー」「ファンデーション」という表現が並んでます。これはどういう意味なのでしょうか。 ■「下着」は言ってはいけないこと? 講師を務める田島完佳(たじま ひろか)さんは、「下着のフィッティングアドバイザー」として15年以上活動しています。 その中で大人の女性から肩こりや頭痛など体調の悩みやコンプレックスの相談を受けることが多く、早めの教育の重要性を感じたといいます。 田島完佳さん「きっかけは、あるお客さんでした。子どものころ、胸の成長が早くてもお母さんに買ってほしいと言えなくて、男の子にからかわれたことで“下着”に対して大きなトラウマがあると、泣きながら相談に来ました」 震える手でブラジャーを付けていたという女性。洋服を着て鏡の前に立った時、「体のラインがこんなに変わるんですね」と話し、笑顔が戻ったといいます。