「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
新たなジャガーから2025年に発売される新「EV」は12月2日に発表される
では、新しいジャガーはどんなクルマを世に送り出すつもりなのでしょうか? 彼らの新しいデザイン言語を示すコンセプトカーは今年の12月2日(アメリカ時間)に開催されるマイアミ・アートウィークで公開されます。したがって、それがどのようなスタイリングなのかは、まだ伺いすることができませんが、その手がかりとなる写真がジャガーによって公表されています。
それは、新生ジャガーが2025年に発売すると見られるEVのプロトタイプで、今後、世界各地の公道やテストコースで試験走行が行なわれる計画です。 ジャガーによれば、これは4ドアのGT(グランドツアラー)とのこと。現時点ではかなり入念な擬装が施されている関係で細かな形状は確認できませんが、それでもボンネットが長く、キャビン全体が後ろ寄りにレイアウトされていることが想像できます。また、ボディは全体的に直線的で、大径ホイールにより力強い印象を与えるデザインのようにも思えます。これまでの繊細でクラシカルなデザインとは、やはり大きく異なっているようです。 ※ ※ ※ 最後に、ジャガーがここまで大胆な変革を遂げようとしている理由について、私なりの想像を張り巡らせてみることにしましょう。 ウィリアムズ・ライオンズによって1922年に創業されたスワロー・サイドカー・カンパニーは、1935年にSSジャガーという名のスポーツサルーンをリリースします。これがジャガー・ブランドの誕生でした。 以来、ジャガーは美しいスタイリングを備えたスポーツサルーンやスポーツカーを作り続けることになりますが、とりわけ1961年に発売したE-タイプは、あのエンゾ・フェラーリに「世界でもっとも美しいクルマ」と言わしめるほど美しいデザインを備えたスポーツカーで、大ヒット作となります。 しかし、1960年代後半から190年代にかけて、同社は経営難やオイルショックなどの苦難に次々と見舞われ、販売は次第に低迷していきます。 その後も復活と低迷を繰り返しましたが、長期的な衰退傾向にあることは否めず、2021年には冒頭で紹介した「Reimagine(再考する)」を発表することになります。つまり、今回の大改革は、長期的に低迷していたジャガーというブランドを再構築するために実施されたと見ていいでしょう。 新しいジャガーが世界中でどのように受けとめられることになるのか。まずは、12月2日に発表されるデザインコンセプトがその試金石となるはずです。
大谷達也