金沢高・斎藤、西武1位指名 プロ野球ドラフト 能美市出身・星稜高OB寺西、オリ2位
プロ野球のドラフト会議は24日、東京都内で行われ、石川県関係では斎藤大翔(ひろと)内野手(17)=金沢高3年、金沢市出身=が西武から1位で指名を受けた。県勢の1位指名は2019年のヤクルト奥川恭伸投手(星稜高OB)以来となる。寺西成騎(なるき)投手(22)=日体大4年、星稜高OB、能美市出身=はオリックスから2位指名された。 ●斎藤「日本を代表する遊撃手に」 「日本を代表する遊撃手になりたい」。金沢高の会見場に姿を現した斎藤選手は、興奮で顔を赤らめながらプロでの目標を語った。広い守備範囲に遠投120メートルの強肩、50メートル6秒の俊足を兼ね備える。「スピード感のある守備が売り。プロでもそれを武器にしたい」と活躍を誓った。 西武は、別の選手で1位指名が競合し、2度抽選を外した後に斎藤選手を選んだ。指名を受けてから姿を見せた斎藤選手は「1位で名前を呼ばれるとは思っていなかった」と時折、笑顔を見せながら語った。 西武には球界を代表する守備の名手、源田壮亮選手がいる。球団のイメージを問われた斎藤選手は真っ先に源田選手の名を挙げ、「憧れのショートとプレーできるのはうれしい。まねできるところはまねしたい」と語った。 3年間指導してきた金沢高野球部の武部佳太監督は「悔しさを力に変えること、地味な練習ができる選手」と評した。その上で「まだスタート。夢と希望を与えられる選手になってほしい」とエールを送った。 斎藤選手が泉野小時代に所属した学童野球「泉野フレッシャーズ」で指導した池田信監督は、小学生の頃から守備の動きが際立っていたと振り返り、「最高の形で夢がかなってよかった。守備の要として、太く長く活躍してほしい」と期待した。 ●寺西「息の長い選手になる」 先輩奥川と投げ合う日心待ち 右肩手術を乗り越えた逸材に吉報が届いた。オリックスに2位で指名された寺西選手は「けがをしない体を作り、息の長い野球選手になりたい」と決意を表明。星稜高時代の1学年先輩で「神様のような存在」だった奥川投手と投げ合う日を心待ちにした。 寺西選手は横浜市の日体大キャンパスで野球部員ら約200人とドラフトの行方を見守った。午後5時50分すぎ、指名を受けると会場は大歓声に包まれた。 会見で対戦したい相手を問われた寺西選手は、高校の同級生のヤクルト内山壮真選手を挙げた。同郷の能美市出身で元米大リーガーの松井秀喜さんと小学生の時に握手した思い出も披露。「すごく手が大きくて体もでかかった。小さい子たちに夢や希望を与えられるようになりたい」と意気込んだ。 星稜高では1、2年で甲子園を経験。2年夏は奥川選手らと準優勝した。しかし、右肩痛に悩まされ、3年春に手術を受け、長期のリハビリ生活を送った。復帰後は186センチの長身から投げ下ろす直球を武器に活躍。昨春の首都大学リーグ戦でMVPに輝き、侍ジャパン大学代表に選ばれた。