新型MacBook Proは、“Pro”にふさわしい性能を手に入れた
まさに“真打ち”登場といえるだろう。アップルが「iMac」「Mac mini」に続いて、ノートPC「MacBook Pro」の新モデルを10月31日に発表したのである。 基本的な本体デザインの変更はないが、チップセットは最新の「M4」シリーズが採用された。「M4」のほか、高性能な「M4 Pro」や最高性能となる「M4 Max」も選べるようになっている。 アップルによると、M4モデルの処理能力はM1モデルの最大3.5倍にもなる。具体的な用途を例に挙げると、M4モデルは解像度が数ギガピクセルの写真を編集するようなタスクにおいて、M1モデル(13インチ)より最大1.8倍高速で、3Dモデリングツール「Blender」で複雑なシーンをレンダリングするような負荷の高い作業において最大3.4倍高速だという。 また、M4 MaxはM1 Maxと比べて3倍以上も高速な「Neural Engine」を搭載したことで、人工知能(AI)をデバイス上で高速に実行できると謳う。最大128GBのユニファイドメモリーを搭載できるので、約2,000億のパラメーターをもつ大規模言語モデル(LLM)も容易に実行できるという。まさに“Pro”にふさわしい高性能を持ち運べるモデルといえるだろう。 そして当然のことながら、アップル独自のAIである「Apple Intelligence」にも対応する(現時点では米国の英語のみ対応しており、日本語への対応は2025年の見通し)。アップルはプレスリリースで、新しいMacBook ProがApple Intelligenceに最適化されている点を繰り返し訴求しており、今後のアップルの戦略において重要な鍵を握る機能であることが改めて浮き彫りになった。
バッテリーの持続時間は最大24時間に
バッテリーの持続時間が長くなった点にも注目していい。M4モデルは最大24時間、M4 Proモデルは最大22時間、M4 Maxモデルは最大18時間となった。また、ディスプレイの明るさが向上したほか、カメラはiMacと同じ12メガピクセルに高画質化されている。機械学習を用いてビデオ通話している人を画面中央に収めてくれる機能「センターフレーム」にも、iPadなどに続いて対応した。 ポートの数とデータ伝送性能も“Pro”らしく進化している。M4モデルはThunderbolt 4対応のUSB-Cポートが3ポート(M3モデルはThunderbolt/USB 4対応が2ポート)、M4 ProモデルとM4 MaxモデルはThunderbolt 5対応が3ポート(M3 ProまたはM3 MaxモデルはThunderbolt 4対応が3ポート)となった。 価格はM4モデル(14インチ)が24万8,800円から。M4 Proモデルは14インチ版が32万8,800円から、16インチ版が39万8,800円から。M4 Maxモデルは14インチ版が52万8,800円から、16インチ版が55万4,800円からとなる。すでに予約は始まっており、11月8日に発売される。 なお、16インチのM4 Maxモデルを最大構成にすると、16コアのCPUと40コアのGPU、ユニファイドメモリーは最大128GB、ストレージ容量は8TBになる。さらに、画面のぎらつきを軽減するマットな仕上げのガラスを採用した「Nano-textureディスプレイ」を選ぶと、この驚くべきスペックのマシンの価格は113万6,800円だ。 3日連続で新しいマシンを発表したことで、アップルはMacのラインナップの大半を刷新したことになる。このうち「MacBook Air」は今年3月に刷新されたが、新型MacBook Proの発表に合わせて基本モデルのメモリー容量が2倍の16GBになり、価格は据え置かれた。残るは高性能モデルとなる「Mac Studio」と「Mac Pro」だが、これらは2025年に「M4 Ultra」チップを採用して刷新されるとの噂がある。