「Xiaomi 14T/14T Pro」開発の舞台裏 深化したライカとの協業、スマホの中身も強化して「ギアが2段上がった」
AIはロールアウトの時点から日本語に対応 カメラの画作りにも活用
―― AIに関しては、独自実装されたところも進化していますが、文字起こしなどがいきなり日本語対応したのには驚きました。 安達氏 規模が大きくない国や地域は後回しになっていますが、日本語にはロールアウトのタイミングから対応できました。試していただければ分かりますが、精度もそこそこあります。ここまで本格的に生成AI的なものを取り入れてから、まだ日は浅いですが、業界での動向も含めて注視しています。 大沼氏 AIについてはわれわれも注目しています。独自AIで進化していくところでは、競争も始まりました。当たり前にできるものと、われわれ独自のとがったところのバランスは見極めていきたいですね。 ―― とがったところというと、今回はどのような機能になりますか。 安達氏 AIポートレート(写真を元に、ポートレート画像を生成できる機能)ですね。 ―― 確かに、発表会で安達さんのポートレートが大写しになったところは面白かったです(笑)。 安達氏 他にもグラフィック系は分かりやすく、消しゴムも「消しゴムプロ」という名前になり、精度が上がってにじみが出にくくなりました。AI画像拡張もそうですが、あの辺は日常的に使えるので分かりやすいですね。 あとは黒子としてのAIで、カメラの画作りにもめちゃくちゃAIを使っています。生成AI的なものが注目を集めがちですが、昔からある機械学習もいろいろなところで使っています。アプリケーションとして表に出ていないところにも、AIは使われています。
名前だけのライカではない より深い協業で画作りの完成度も向上
―― SNSを見ていても昨年以上に大きな反響があったように見えました。一段、ジャンプできたような印象です。 安達氏 ライカとのコラボは非常に期待が高かったですね。Xiaomi 14 Ultraでお客さまに対して「カメラの最高画質」をお届けでき、最高のスマホカメラという形でさまざまな形で取り上げていただけました。その一定の評価をいただいた余韻というか、レピュテーション(評判)というかを、うまく引っ張った形でXiaomi 14T/14T Proを発表できました。 もちろん名前だけのライカではなく、色作り、画作りや技術的なバックグラウンドも作品という形のエビデンスも出してきました。Xiaomi 14T/14T Proの発表もマーケティングチームが頑張って体験会という形まで落とし込んでくれたので、その場で画質をお示しすることができました。その反響が大きかったですね。 ライカとの協業も去年と比べて深まっていて、「AISP」というスマホならではの処理の完成度が上がったところで、ちょうど日本に入ってくることができました。昨年のXiaomi 13T Proを買われた方には申し訳ないのですが、今年は完成度がより高い形でご提供できます。 ―― ソフトバンクのXiaomi 13T Proなら、1年で買い替えられるように売っていたので、このぐらいアップグレードしてくれた方がいいような気もします(笑)。 安達氏 実際の評価は発売してみないと分かりませんが、Xiaomi 14 Ultraはいわゆるギーク層以外にも「面白い」ということで広がりました。とはいえ、Xiaomi 14 Ultraはやはり高い。これがXiaomi 14T/14T Proになると、お値段もお手頃になります。10万円を超えた端末をお手頃と言っていいのかどうかはさておき、この面白さがより一般層まで広がってくれればいいなと思っています。 ※Xiaomi 14T Proのオープンマーケット向けモデルの価格(税込み)は、メモリ+ストレージ構成別に12GB+256GBが10万9800円、12GB+512GBが11万9800円の予定。
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