鹿児島県警の不祥事巡る百条委設置、裁判理由に「反対」…再検討時期も示さない自民県議団の判断は議会不信を招きかねない
「否定的な意見は聞かれなかった」。百条委の設置が6月に県議会に提案された当初、自民党県議団の西高悟会長は前向きだった。だが、その後はベテラン議員を中心に「百条委はそぐわない」との声が上がり、設置しない理由を探すような議論に切り替わった。一部議員は「東京の国会議員から圧力をかけられているのでは」といぶかる。 捜査書類の廃棄を促す内部文書や情報公開、組織の在り方など裁判に関係なく現時点でも百条委を設置する意義は十分あるはずだ。 南日本新聞が今月実施したLINEアンケートでは「県警のうみを出してほしい」など設置を求める意見が大多数を占めた。西高悟会長は「調査権はいつでも発動できる」と含みを残すが、再検討の時期は示していない。ある自民県議は「今回の決定は今後の選挙に必ず跳ね返ってくる」と語る。県民に背を向けた姿勢は、議会不信にもつながりかねない。
南日本新聞 | 鹿児島