【小倉2歳S展望】新種牡馬産駒2頭が有力も関東馬初Vを目指す重賞3着馬が参戦して混戦ムード
[GⅢ小倉2歳ステークス=2024年9月1日(日曜)2歳、中京競馬場・芝1200メートル] 例年ならば、夏の小倉最終週で開催され、夏競馬の掉尾を飾る重賞。しかし、今年は中京で開催されるばかりか、その中京が次週以降も継続されるため、イレギュラーな形となった。それでも、6ハロンの2歳重賞は年内でここが最後。スピード自慢の若駒が覇を競う一戦に注目したい。 興味深いのは新種牡馬タワーオブロンドン産駒2頭の参戦だ。2019年のスプリンターズSを制した同馬はここまで初年度産駒4頭がJRAで勝ち上がり。いずれも芝6~7ハロンで勝利を挙げた。そのうちの2頭がここにエントリー。中でもアーリントンロウ(牡・松下)は、前走の未勝利戦(新潟芝内1400メートル)で鮮やかなレコード勝ちを演じた。新馬戦はスタートがいまひとつでクビ差届かず2着に終わったものの、前走は先手を取ってマイペース。後続を寄せつけず、1分20秒6(良)の好タイムをマークした。左回りを経験済みで、逃げても差しても競馬ができる点は強み。初の6ハロン戦も父の特性を踏まえればマイナスになることはないだろう。 レイピア(牡・中竹)も同様に初戦は差して2着、前走は逃げての快勝だった。開幕週だったことを考慮しても、1分08秒2(良)の勝ちタイムは優秀。今夏の小倉で行われた2歳戦の芝1200メートルは11鞍あったが、文句なしの最速だった。2番目に速い勝ちタイムが1分09秒2(良)なので、非凡なスピードがうかがえる。1週前に栗東坂路で4ハロン51・5―12・4秒をマークするなど、短期放牧を挟んだ後も状態は良好。同一種牡馬によるワンツーも十分狙えそうだ。 44回目の歴史で初の関東馬Vを狙うのがエンドレスサマー(牡・上原佑)。函館の新馬戦を逃げて快勝すると、GⅢ函館2歳Sでは好位から粘り込んで3着と奮闘した。父アルアインが皐月賞、大阪杯の勝ち馬で、母コケレールは仏GIサンタラリ賞(芝2000メートル)の勝ち馬と血統的には中距離向きだが、現状はスピードが目立っている。暑い美浦トレセンに戻ってからも元気な姿を見せており、中京までの輸送さえ無事にこなせれば重賞での経験値を生かせそうだ。 登録馬の中で、同舞台の中京6ハロンで勝ち星を挙げているのはエイシンワンド(牡・大久保)のみ。その新馬戦は二の脚を生かして2番手につけると、余裕十分に抜け出す好内容だった。センスの良さが武器で、使った上積みを考えると持ち時計の短縮も見込める。 このほか、距離短縮がプラスに出そうな米国産馬ジャスパーディビネ(牡・森秀)、初戦の内容が上々だったタマモティーカップ(牝・高橋亮)、鋭い決め手があるポートデラメール(牝・斉藤崇)などが上位争いに加わってきそうだ。
東スポ競馬編集部