事件や災害のニュースで心がザワついてしまう時どうしたらいい?医師が解説!
社会の動きによって心がザワついてしまうときは?
――社会情勢やまわりの環境によって心が不安定になってしまうことはありますか? 中川: 今(※)、ハワイのマウイ島が山火事によりとても深刻な状態になっていますが、こうした気候変動に関わるニュースを見ると、不安感が強くなってしまいます。こうした「気候不安」は、世界的にも広がっているようです。私は、朝起きてすぐニュースを読むのが習慣なのですが、最近は瞑想やヨガをして心を整えてから読むようにしています。 ――まわりの影響によって心がザワついてしまうとき、どのようにメンタルをケアすればいいでしょうか? 藤野: 外界のせいで心がザワザワしている人に、僕はよく「心の安全地帯をつくろう」と提案します。自分の部屋でもどこでもいいのですが、いちばん安心できる場所に自分の心を飛ばし、そこにいる自分を想像をするんです。そうすることで、外界からの刺激をシャットアウトすることができます。中川さんのように、瞑想やマインドフルネスを取り入れるのもとてもいいですね。 あとはやはり、情報から距離をおくこと。例えばニュースを見る時間は1日30分だけに決めるとか、災害時も、ネットで誰かが勝手に発信している情報ではなく、政府発信のニュースだけを追うようにするとか、そうした情報との向き合い方が大事になります。 次回は、自分や身近な人が「メンヘラ」ではないかと感じたとき、どんな対応やケアができるのか、また、メンタルの問題を抱えながら生きることについて語り合います! ※yoiにて2023.09.10公開 精神科医・産業医・公認心理師 藤野智哉先生 秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。SNSやメディアを通じ、障害とともに生きることで学んできた考え方と精神科医としての知見を発信。著書に『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本 心が軽くなる26のルール』(幻冬舎)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)など、最新刊に『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。 「Blossom The Project」代表 中川・ホフマン・愛 日本生まれの南アフリカと日本のミックス。アメリカ、フィリピン、アラブ首長国連邦での生活経験がある。ニューヨーク大学で政治学を専攻。現在、弁護士を目指してロースクールに通う。自身もメンタルヘルスで悩みを抱えていた経験や、グローバルな知見をいかして、2020年4月、メンタルヘルスを中心としたさまざまな社会課題を日・英で発信するインディペンデント・メディア「Blossom The Project」を設立。メンタルヘルスやセルフケアの重要性をわかりやすく伝える発信に多くの若者が共感を寄せている。 取材・文/秦レンナ イラスト/Rei Kuriyagawa