クリスティーズ・アジア元会長、新たなアートアドバイザリー会社を設立。東京、ロンドン、台北でも活動展開
クリスティーズ・アジアの元社長兼会長であるレベッカ・ウェイが、アートアドバイザリー会社「Wei & Associates」を立ち上げた。 ウェイは1999年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、中国本土では初めての女性パートナーになった。2012年から20年までクリスティーズ・アジアの社長兼会長を務め、退職後はレヴィ・ゴーヴィ・ギャラリーのパートナーとなり、後にレヴィ・ゴーヴィ・ダヤン&ウェイの設立者となる。アジアのアートマーケットの拡大と世界におけるアジアのプレゼンスを高めることに一貫して尽力してきた。 香港・セントラルに拠点を構える同社は、20世紀および21世紀の高価値な美術作品を専門に扱う。個人および機関のコレクターに対し、コレクションの管理や市場情報提供、戦略的なアドバイザリーなど、個別のニーズに応じたカスタマイズされたアートアドバイザリーサービスを提供する。 チームメンバーには、東京を拠点とするクリスティーズ・ジャパンの元代表である石坂千枝や、ロンドンのクリスティーズおよびハウザー&ワースの元シニアディレクターであるリベルテ・ヌティ、台北のレヴィ・ゴーヴィ・ダヤン&ウェイの元ディレクターであるユユン・チャンがアドバイザーとして名を連ねており、グローバルなアートマーケットにおける知見や経験を活かしていく。 ウェイは声明文で、「アジアのアートマーケットはいま、非常にエキサイティングで可能性に満ちた時期を迎えています。私たちのネットワークを通じて、多くの個人や機関が意味のあるコレクションを築くためにサポートやアドバイスを求めています。Wei & Associatesは、ダイナミックなアートの世界に即した世界クラスのアドバイザリーサービスを提供することを約束します」と語っている。 また同社の目標は、たんに作品を売買するだけではなく、アートを取り巻く環境や市場の変動に対応しながら、クライアントに最適なアートアドバイスを提供することにある。とくに、日本を含むアジア圏では、嗜好やニーズなどその地域特有の市場環境があり、それを理解することが不可欠だ。アートマーケットの情報は日々変化しており、正確で迅速な情報収集が成功の鍵となるため、同社はその情報網を駆使し、クライアントに対してタイムリーかつ有益なアドバイスを提供することを目指しているという。 その目標について石坂千枝はメールで、次のようにコメントしている。「アートコレクションの形成や売却の際には、世界的なネットワークが不可欠であり、時間と忍耐が必要な作業です。最善の提案ができるよう、お客様とチームを組みながら長期的なお付き合いができればと考えています」。