「時代のせい?」安藤美姫、“妊娠のアウティング”トークでの発言に見た“ヤバさ”の真髄
「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。有名人の言動を鋭く分析するライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。 【写真】コーチとして受け持つ“教え子”の手をしっかり握る安藤美姫 第105回 安藤美姫 オリンピック選手というのは、引退後の人生ではそれなりに苦労するものなのかもしれません。霊長類最強女子として、アテネ、北京、ロンドンオリンピックで金メダルを獲得し、国民栄誉賞も受賞した吉田沙保里さんは引退後、髪を伸ばし、ゆるふわなフェミニンファッションを楽しんでいたら、似合うとか似合わないとかバッシングされてしまいました。元卓球選手の福原愛さんは、不倫報道があって離婚しますが、長男連れ去り報道の影響もあり、イメージを回復できていません。 スゴい選手としてもてはやされた人ほどヤバいカテゴリに転落しがちなのは、アスリート時代のイメージが良すぎることが、仇になっているのではないでしょうか。オリンピアンとて人ですから、人生においては、ままならないこともあるでしょう。彼女たちからしてみれば、どうして今までは応援してくれたのに、急に叩かれているのか、わからないのかもしれません。
母親の目が届かないところで手をつなぐ
フィギュアスケートの安藤美姫さんもお騒がせオリンピアンの1人と言えるのではないでしょうか。 7月4日号『週刊文春』によると、安藤さんは自分の教え子である16歳の少年とその母親と3人でUSJに出かけ、母親の目のないところで少年と手をつなぐなど、親密な様子だったというもの。未成年相手に何やってんだと口あんぐりですが、『文春』の直撃を受けた安藤さんは恋人関係を否定し、「他の生徒でもこんな感じで。距離感」と、生徒全員に平等にスキンシップしていると主張していますが、もしそうなら、ますますヤバいのではないでしょうか。 アメリカ体操協会に所属し、チームドクターとしてオリンピックにも同行していた男性医師が、女子選手たちに治療と称して性的虐待を繰り返していた事件をご記憶の方も多いことでしょう。この事件がなぜ長い間隠ぺいされてきたかというと、不祥事を表に出したくない協会の体質と、選手と協会の間に明確な上下関係があり、オトナに楯突くと試合に出られなくなるかもしれないという恐怖心のためと思われます。 選手生命が絶たれてもいい。それくらいの気持でなければ、自分よりはるかに権力のあるオトナを告発することはできないと思うのです。もちろん、安藤さんは性的虐待はしていないとは思いますが、教え子たちやその親御さんはスキンシップが嫌だとしても、安藤さんの機嫌を損ねないため、はっきり抗議することはしにくいでしょう。 こうなると、コーチという優位な立場を利用したセクハラとみなされても致し方ないと私は思います。安藤さんと言えば、女子選手で初の4回転ジャンプを成功させ、表現力にも定評があった選手です。日本のみならず、海外の選手でも、彼女の指導を受けたいと思っている人はいるはず。日本の有名選手の門下生になるためには、セクハラを覚悟しなくてはいけないという間違った噂が世界に広まらないためにも、きちんと釈明するべきだったのではないでしょうか。