広い視野身に付けて 若手職員が企業社員と研修、和歌山県上富田町
職員に幅広い視野を身に付けてもらおうと、和歌山県上富田町はこのほど、町の若手職員と民間企業の社員が参加する合同研修会を町内で開いた。新商品を開発することをテーマに、職員と社員が一緒に話し合い、交流した。初めての取り組み。 【選手目線の大会に 実行委がコース試走、紀州口熊野マラソンの記事はこちら】 例年、職員は町役場内や、外部での自治体職員向けの研修に参加している。今回は町と包括的地域連携協定を結んでいる、台所用スポンジなどの製造・販売企業「アイセン」(海南市)の協力を得て、合同研修会を開いた。 南紀ウエルネスツーリズム協議会が企画運営し、町職員4人と、アイセン、リコージャパン和歌山支社(和歌山市)、アンスーリール(上富田町)の社員計7人が参加。同町市ノ瀬の宿泊施設「MIZUGORI荘」で1泊し、3グループに分かれてアイセン社の新商品を開発することをテーマに話し合った。 発表では、防災衛生用品として、避難施設でクリーニングなどに使える圧縮スポンジの商品、口熊野マラソン大会向けに、町のマスコットキャラクター「ひょうたんせんぱい」の絵柄入りのひょうたん形の給水スポンジを作るなどの案が出た。商品の良さや町のPRを目的に、掃除とスポーツを組み合わせた競技イベントを開催するという提案もあった。アイデアを審査し、チームや個人に賞を贈った。 参加した町総務課の晄真彩さん(26)は「違う業種の人との関わりが貴重な経験となった。参加して学んだことを日頃の業務にもつなげていきたい」と話した。アイセンの木戸祐輔さん(26)も「入社して7年目になるが、いろんな意見が聞けたし、新たな視点ができた」と充実した様子だった。 同社の中西茂樹事業戦略室室長(45)は「社員は、役場や他の企業の人とコミュニケーションを取る中で刺激が得られ、いろいろな人の意見を聞いてプラスになったと思う」、町の平尾好孝振興課長(57)は「研修を通じて、広くさまざまな角度から考える力や、いろんな企業の人とのつながりも広がる。来年度以降も、企業との研修を継続していけたらと考えている」と話した。
紀伊民報