【ホープフルS】無傷2連勝中クロワデュノール、抜かりなし 斉藤崇師「動き一段上がった」
<追い切りの番人> 今年のJRA・G1最終戦、ホープフルS(芝2000メートル、28日=中山)の最終追い切りが25日、東西トレセンで行われた。注目馬の調教を掘り下げる「追い切りの番人」は、大阪・明神理浩記者が、デビューから無傷2連勝中のクロワデュノール(牡、斉藤崇)をピックアップ。前走東スポ杯2歳Sからの上昇度に加えて、走りの微調整も済ませて、抜かりない仕上がりとみる。 ◇ ◇ ◇ クロワデュノールの最終追い切りは、前走時同様にCウッドで行われた。古馬3勝クラスのルシフェルを2馬身半ほど追走。4角で並びかけると、馬なりのままきれいに馬体を併せてフィニッシュした。騎乗した北村友騎手は指示通りの調教ができたようで「馬の雰囲気は前回よりいいです。(前回とは)全然違います」と好感触を口にした。 斉藤崇厩舎の追い切りは、テンにゆっくり入って、しまい重点の追い切りが主流だ。全体時計は速くないが、ラスト1ハロンの時計は出る。それだけに数字だけでは状態を判断しづらいものがある。前走の東スポ杯2歳S時も今回と同じくラスト1ハロンは馬なりで11秒3だった。しかしながら、斉藤崇師は「シャキっとしていなかった。出走するかしないか悩んだくらい」とギリギリの選択を迫られていた。 追い切りの過程を見ても、前走時は1週前にCウッドで5ハロン63秒9(6ハロン79秒6)と同厩舎らしからぬ? 猛時計でかなりの負荷をかけており、急仕上げ感もあった。 今回は違う。師は「1度使って体が仕上がり、動きが一段上がっています。2週前の時点である程度動けるのが分かっていました」と言う。1週前(18日)は併せ馬で5ハロン67秒9-11秒4。この厩舎らしい時計で負荷をかけられた。ただ、「抜け出して手前を(右に)替えてしまいました」と斉藤崇師。そこで、今週は調教駆けする馬と併せることで、最後まで抜け出すことなく馬体を併せるスムーズな追い切りをさせて、最終調整を済ませた。 鞍上は「先週は直線で右手前が多かったですが、今日は左手前に替えてバランスを保ったままゴールできました。左手前でゴールできたのは良かったですね」と評価する。ひとたたきの上昇度に加え、微修正も完了。抜かりなく仕上がり、G1奪取への準備は整った。 ◆手前 馬が走るとき、左右どちらの脚を前に出して走るかで、左脚を前にするとき「左手前」、右脚を前に出すことが「右手前」。コーナーで手前を替える馬は多いが、不器用な馬は手前を替えられず、コーナーでスムーズさを欠くこともある。 ◆明神の目 先週は右手前で抜け出してきたが、今週は直線に入ってすぐ左手前に。いったん右手前に戻ったものの、再度左手前に替えてゴール。明らかに進歩が見られた。