2025年から固定電話が変わる! NTT法に基づく全国一律の「電話」はどうなる?
つまりNTTが不採算地域でも固定電話をユニバーサルサービスとして提供し続けてきた根拠は法的に見れば「NTT法」の存在が大きいといえるでしょう。NTT法の改正・廃止やNTTの完全民営化が実現した場合、NTTにとって大きな負担となっている「不採算地域でのアナログの固定電話」は、ユニバーサルサービスとしての提供自体が見直される可能性があるかもしれません。
そもそも「固定電話」のみがユニバーサルサービスであり続ける意味とは?
固定電話がユニバーサルサービスとして位置づけられてきた背景には、すべての国民が基本的な通信手段を利用できるようにするという社会的な要請がありました。しかし、通信技術の進歩と社会環境の変化に伴い、この位置づけの再考が求められています。 2024年現在、固定電話の契約数は年々減少しています。NTT東日本・NTT西日本の固定電話契約数(加入電話とINSネットの合計)は2024年6月末時点で1324万件です。一方で、携帯電話の契約数は約2億件に達し、固定電話を大きく上回っています。 つまりIP網移行をきっかけにユニバーサルサービスとしての通信を見直すならば、その中心となるのは「携帯電話」であるべきだ、という考え方ができます。 ■不採算地域での「ユニバーサルサービス」の提供義務は今後も課題 仮に携帯電話中心にユニバーサルサービスが再設計されたとしても、「NTT法」が存在する限りは、安定的な通信の提供義務を負う「半官半民」の事業者としてのNTTの責務そのものは今後も問われるでしょう。2025年以後はIP網へのシフトが続き、並行してNTT法の改正やNTTの完全民営化の議論が活発化すると考えられます。 通信は事業であると同時にインフラでもあり、不採算地域の通信品質が著しく落ちるといったことがない方向性で、議論が進むことを期待したいですね。
オトナライフ