昨季まで石川が所属したミラノに移籍した大塚（左から２番目）。写真：佳子S・バディアーリ

　日本国内のバレーボール人気に火をつけたパリ五輪戦士がまた一人、イタリアで新たな一歩を踏み出している。 【画像】パリ五輪に挑んだバレーボール男子日本代表メンバーを一挙紹介！ 　現地９月１４日と１５日の２日間にわたり、イタリア中部の小さな町イェージを舞台に行われたプレシーズン大会にリーグ上位の４クラブが集結した。同国からは、昨季出場４大会すべてを制覇し、日本代表の主将・石川祐希を獲得したシル スーサ ヴィム・ペルージャ、リーグとコッパ戦でそれぞれ通算７回とチャンピオンズリーグ優勝２回を誇るルーベ・チヴィタノーヴァ、フランスリーグでここ３シーズンを２位以上で終え、優勝６回を果たした２０１０年代黄金期の復活へまい進するトゥール、そして、伊リーグで２季連続４強入りを果たした石川の古巣アリアンツ・ミラノに、海外初挑戦の日本代表アウトサイドヒッター（OH）大塚達宣の姿があった。 　 　準決勝のチヴィタノーヴァ戦は、出場時間が限られた大塚だったが、トゥールとの３位決定戦では先発フル出場で試合最多の14得点（アタック12、エース２）を挙げて３－１の勝利に大きく貢献。超ロングラリーをレフトからのクロス弾で仕留めた際には、会心の一打を讃えるミラノの円陣が異例の長さで続いた。 　チームメイトからどんな言葉をかけられたのか？と尋ねると、「なんて言ってたのか分かんないですけど、でも多分今のラリーよかったねって感じだったと思うんです。本当に拾って拾って繋いで繋いでだったんで。（選手たちが力いっぱい組み合ったので）最後はすごく重かったです」と照れ臭そうに話し、試合は「めっちゃ楽しかった」と笑みがこぼれた。 　国外初の先発起用に緊張していたという。序盤は攻撃をブロックに阻まれる場面もあったが、試合が進むにつれて明らかに軽快さがアップ。代表でも見せた粘り強い守備のほか、サーブでブレーク量産の起点となり、高精度なレセプションを連発してミラノの得点率を引き上げた。 「この高さのブロックはなかなか日本ではないですし、でも、これを求めてこっちに来たので本当にいい経験だと思います。打ち方とかも試行錯誤して、普段の練習でコーチ陣とも色々話しつつトライしながら試合の中で修正して行きたいです」 「特に今日は３、４セットが良くて、自分の中ですごく体が動いている感じはありました。守備は自分の武器というか、レシーブはやはり日本人の武器だと思うのでそこはひとつ売りにして行きたい。Vリーグの時も（試合を経験する中で）自分の感情をプレーに乗せていくことがどんどんできるようになった。代表でも同じくやっていく中で自信がつく。それをイタリアでもできたのが自分にとって大きな一歩。この感覚が欲しかったので、こういう風にやっていけばいいんだと分かるきっかけになった試合でした」