ひらまつ、星野リゾート、温故知新…涼とグルメを楽しむラグジュアリーな宿3選
連載《とっておきの旅》
暑い夏がやってきた。涼感を求めて滞在するなら長野県軽井沢エリアにある緑陰のグラン・オーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)、国の天然記念物にして特別名勝の渓流のほとりに立つ青森県・十和田湖国立公園内のホテル、京都・嵐山のラグジュアリーホテルなどはいかがだろうか。それぞれでのおすすめの過ごし方も含めてご紹介する。 【写真はこちら】鮮やかな緑と清流、自慢の食材を使った一皿、部屋やお風呂…見どころをチェック!
■緑と眺望と美食と THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田
避暑地の代名詞ともいえる長野県軽井沢町に隣接する浅間山麓の御代田町は、およそ1万2000年前の縄文から人が住むという歴史を刻む地。しなの鉄道の御代田駅から送迎の車で約10分、上信越自動車道の佐久インターチェンジ(IC)から約20分の地にあるのが「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」だ。 緑豊かな約6万平方メートル超という敷地にヴィラ9棟と本館28室のみ。全室に温泉風呂を備えて、スタンダードですらテラスを入れて100平方メートルを超える。ガストロノミーを追求する「ひらまつ」経営のホテルの最高峰として美食の贅(ぜい)も満喫できる。 2024年7月にはフランスのタイヤメーカー、ミシュランが特別な体験を提供する施設として選んだ「ミシュランガイドホテルセレクション」で「1ミシュランキー」に選出された。 小高い丘の上に立つ本館ロビーには、この地から出土した縄文土器やアーティスト田窪恭治氏によるりんごの木の大作が飾られている。館内のアート作品は、他にもウジェーヌ・アジェやマン・レイの写真など200点を超える。ロビーの向こうには八ケ岳や北アルプスの雄大な眺めが目の前というテラスが広がり、非日常な空間に圧倒される。 客室は、テラスの高みから見る緑の眺望の本館も捨てがたいが、涼感を得ながら優雅な時間を過ごすならヴィラスイートがおすすめだ。森となじむ緑青色の屋根が美しい木造の9棟の建物が点在する。屋内だけでも122平方メートルを超え、2つのベッドルームとリビング、器具もそろうミニキッチンに広々したテラスを備えて、まさに別荘で暮らすような感覚で滞在することができる。