ひらまつ、星野リゾート、温故知新…涼とグルメを楽しむラグジュアリーな宿3選
■清らかな名勝眼下に 星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
青森県の十和田湖国立公園にある奥入瀬渓流は、手つかずの自然が織りなす美しさに浸れる場所だ。国の天然記念物であり特別名勝、そして「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星に選ばれている。夏は、こんもりと茂った緑濃い森と苔(こけ)むした緑の大地、その間を流れるせせらぎが涼感たっぷり。そんな渓流のほとりにある唯一のリゾートホテルが「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」である。 1日1往復の無料送迎バス(予約制)でJR八戸駅から約70分、新青森駅から約140分、青森駅から約120分。別天地のような自然に囲まれた場所だ。岡本太郎もこの美しさに引かれてこの地を訪れ、メインロビーのある東館のラウンジには奥入瀬の美しい情景を背景にした巨大な暖炉「森の神話」や遺作となった西館の大暖炉「河神」を残している。 おすすめの部屋は全187室のうち2室のみの「渓流スイートルーム」。6人まで泊まれる120平方メートルの客室はベッドルームとリビング、さらにコンサバトリー(ガラス張りのガーデンルーム)があって、奥入瀬渓流が一望できる。コンサバトリーには、1.8メートル×1メートルというゆったりしたバスタブの温泉半露天風呂がある。緑に囲まれた涼やかな外気を感じながらの温泉は最高だ。 インテリアには、メインのベッドルームや玄関には生苔のウォール、リビングには奥入瀬にあるブナなどの樹種を使ったアートウォール、ケヤキの一枚板に渓流をイメージした青いレジン(樹脂)を流した大テーブルと、奥入瀬の自然の中にいるような印象を生む。 300種類以上の苔が自生する中、ルーペ片手にミクロの世界で苔を見て歩くアクティビティー、「苔さんぽ」は奥入瀬ならでは。渓流スイートルーム宿泊者は、ブナ、トチ、カツラなどの苗を挿した苔玉を部屋に持ち帰って飾ることもできる。また、朝食時にスモーブローというオープンサンドやクラムチャウダーなどを含む特別朝食をインルームダイニング(ルームサービス)で楽しめるのもこの客室の特権だ。 渓流スイートルームは1泊8万7990円から(1室2人利用時、1人当たり)。夕食ビュッフェ・朝食はインルームを基本とし、渓流テラスでの朝食やビュッフェに変更できる。渓流テラス朝食は5~10月限定で、奥入瀬渓流が真横を流れるテラスでの朝食となる。 夕食はビュッフェの他、ホテルのメインダイニング「ソノール」で、奥入瀬渓流を前にした特別席でアペロ(食前酒)を楽しんでから、青森の郷土料理である潮汁「いちご煮」を取り入れるなど、洗練されたフレンチを楽しむこともできる(ビュッフェからのアップグレードはプラス1万5730円、単体2万1780円)。