会費は一人2万5000円「高校謝恩会」波乱の舞台裏 「もっと豪華に!」と叫ぶ保護者に役員困惑「自分の結婚式じゃないんですけど…」
「会費」と「豪華さ」のバランス
一旦は保留にして場を収めたものの、Nさんたち役員は、感謝の場である謝恩会の意義を守るため奮闘しつつも、「豪華さ」と「予算」のバランスをどう取るべきか、難しい判断に迫られることになりました。 一方で、「謝恩会の出席をやめる!係をやめる!」といった激しい主張が出てきた背景には、「受験生を抱える親としてのストレス」が背景にあるのではないかと、同情の声も上がりました。しかし、謝恩会の準備に関わる保護者全員が同じように受験生を抱え、忙しい日々を送っている状況を考えると、一部の人が勝手な行動をとることが容認されるわけではありません。 役員の一人が、「謝恩会は感謝の場であり、自己表現の場ではないですよね。自分の結婚式の準備みたいに熱くなるのは勘弁してほしいですね」と冗談めかして言ったことに、激しく同調するNさんなのでした。 ◇ ◇ 謝恩会準備などで、保護者同士で意見が食い違ったエピソードはありますか。 ▼40代・小学校卒業 子どもの小学校卒業を祝う会を保護者の有志で開催することにしました。2クラスしかない小規模小学校だったので、出席は任意として、全家庭に出席を取りました。企画する段階で、開催場所選びで、ホテルの宴会場を推す保護者と、近所のカラオケボックスを推す保護者、お菓子持ち寄りの公園を推す保護者がいました。会費を集める以上、各家庭の事情もあるので、意見を集約するのが大変でした。結局間をとって、カラオケボックスで開催しました。結果、ケータリングで食事も用意でき、とても盛り上がりましたが、決まるまではヒヤヒヤしました。 ▼50代・中学校卒業 娘が中学卒業時に謝恩会実行委員になりました。記念品を選ぶ係の保護者が、例年通りでは無難すぎてつまらないと、自分の趣味を全面に押し出したアイデアを提案したことがありました。「先生に似顔絵入りの陶器プレートを贈りましょう!」という案を出し、強く推してきました。「今どき、結婚式の引き出物にも似顔絵はないよ」と別の保護者が反対したのですが、「こんな個性的なアイデアは他にない!」と譲らない係の保護者。最終的に予算が折り合わず例年通りシンプルな花束に落ち着いたのですが、陶器プレート案を却下された本人はしばらく不機嫌でした。 ▼30代・小学校卒業 謝恩会の会場で流すBGMを選ぶのに、懐メロ好きの保護者と現代の流行曲を推す保護者で大論争が起こったことがありました。「先生方の世代に合わせて70年代のヒット曲を流すべき」と主張する保護者と、「児童が楽しむ場だから最新の流行曲を」と主張する保護者が真っ向から対立。最終的には「子どもたちが小学校時代に流行った曲」という案にまとまりましたが、リストに入れた一曲で「私この曲だけはどうしてもイヤ!」と主張する保護者がいました。 (まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)
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