【競馬・有馬記念予想】ドウデュースは有終の美を飾ることができるか? 現役最強馬が抱える唯一の不安
結局、唯一の不安となるのは冒頭でも触れた、この馬がひとつのパターンでしか競馬ができないこと。昨年の有馬記念ではそのパターンがハマったが、何かしらの理由によって、そのパターンがハマらなかったら、どうなるのか......。それをカバーする"引き出し"が、この馬にあるのだろうか。 専門紙記者が再び語る。 「昨年はタイトルホルダーという、レースを引っ張ってくれる存在がいましたからね。そのおかげで、ドウデュースは3コーナーすぎから押し上げていって、4コーナーで早くも2、3番手まで来ていても、そのまま押しきることができました。でも、おそらく今年はそういう展開にはならないと思います。 一番心配になる展開は、道中ずっとスローで運ぶこと。それで、4コーナーあたりでも、多くの馬にまだ余力が残っていて、団子状態で直線を迎えたときです。ドウデュースは内有利の今の中山で、馬群の一番外の馬の、さらに外を回ってくるはず。それだけロスの多い競馬をして、それでも勝てるのか、というところでしょうね」 元来、このレースはイン有利で、内枠有利。それでも"個性派"のドウデュースは、その個性ゆえ、外を、それも大外から追い込んでくることになるだろう。 専門紙記者が言うとおり、「それでも勝てるのか」。 現役最強馬のラストラン。個性派のヒーローらしく、セオリーを覆して豪快な外差しで他馬をねじ伏せる――そんなシーンを見てみたいが、はたして......。
新山藍朗●文 text by Niiyama Airo