家具卸最大手「関家具」に排除命令へ、輸入チェアを安売りしないよう小売業者に強制…公取委
自社が出荷する家具を安売りしないよう小売業者に強制したとして、公正取引委員会は、家具卸最大手の関家具(福岡県大川市)に独占禁止法違反(不公正な取引方法)で再発防止を求める排除措置命令を出す方針を固めた。取引上の優位な立場を利用し、取引先に自由な価格設定を認めなかった行為が「再販売価格の拘束」に当たると判断した。
関係者によると、同社は遅くとも2020年2月頃から、主力商品である輸入品のオフィスチェア「エルゴヒューマン」を販売している大手の家具販売店やインターネット通販会社などの取引先に対し、1脚当たり10万~15万円程度で売ることを求めていたという。
当時は新型コロナウイルスの流行で需要が拡大しており、店頭などでの価格を維持することで利益を安定的に確保し、小売業者の値引き合戦によって生じるブランド力の低下も食い止めようとしたとみられる。
小売業者側は、エルゴヒューマンの在庫の有無が販売実績に影響するため、不当な要求に従わざるを得なかったという。
関家具が本社を置く福岡県大川市周辺で製造される家具は「大川家具」として全国的に知られており、同社は家具卸として、国内トップの売上高を誇る。