天空の城・竹田城 正月は特別体制で警備
”日本のマチュピチュ”、”天空の城”などとして、近年人気の高まっている兵庫県朝来市の竹田城跡が”特別態勢”で正月三が日に備える。 【写真特集】写真でみる天空の城・竹田城 数年前まで年間の登城者数は2万人前後だったが、高倉健さん主演の映画「あなたへ」のロケ地になるなどで、知名度が高まり、またテレビ番組やネットなどで朝霧に包まれた城跡の幻想的な景色が紹介され話題になると、一昨年度は約10万人、昨年度は約20万人、今年度は11月までですでに40万人を超える登城者となっている。2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公・黒田官兵衛にも所縁があり、ロケ地にもなってることから、その人気はますます加速しそうだ。
■正月の特別体制として警備員を配置 正月の対応だが、これまでは観光地でなかったため警備員などの配置は行っていなかったが、急激に高まった人気に放置できない状況。2013年の元日には、初日の出客と見られる登城者が数百名いたという報告もあり、「2014年に関しては予想もつきにくい」として混乱を避けるために、朝来市は警備員を配置することを決定している。それでも「配置した人員で足りるのか、また駐車場が足りるにか予測がつかない」と市関係者は頭を悩ませている。
観光地化していない朝来市にとって、竹田城人気は嬉しい悲鳴というよりは、戸惑いになっている。今年11月に登城者の一人が転落する事故が起きたばかりだが、「騒動」は絶えない。ぬかるみに発見された大きな足跡が「熊のものではないか」と憶測を呼んだこともあった。調査した結果、大型犬のものとわかり、収束したが、もともと竹田城付近は熊が出没したことはないという。「ペットの登城に関しても、ルールがない状態。人気の加速が想定を超えているため、いろんなルールの整備できていないが、早急にルールを検討していかないといけない」と朝来市関係者。
■竹田城を休ませてほしい 本来、12月10日から3月19日までの間は中腹までの道路が通行止めとなるため、事実上のクローズとなるが、麓から徒歩であれば、登城も可能。「来られる方を完全に拒むことは出来ないけれど、この冬季通行止めの期間中に、せめて『傷だらけの竹田城跡を休め、癒してあげたい』というのが本音です」(同関係者)。 登城者が増えるに連れ、石垣に綻びが生じるなど、史跡自体、悲鳴をあげている。初日の出などでの登城の場合、灯りの少ない中での登城となり、危険も伴う。正月気分でお酒が入ることもあるため、警備員を配置していたとしても、危険が想定されるため、できる限りの自粛求めている。