【カンボジア】米財務省、人権侵害でLYP会長に制裁
米国財務省外国資産管理室(OFAC)は12日、オンライン詐欺に関連する人権侵害に関与したとして、カンボジアの大手財閥LYPグループのリー・ヨン・パット会長(現上院議員)、同グループ、同グループおよびリー氏が支配するホテルに制裁を科すと発表した。 制裁対象のホテルとして、同グループのオスマッチ・リゾート、リー氏が支配するガーデン・シティー・ホテル、コッコン・リゾート、プノンペン・ホテルを名指しした。今回の制裁により、指名された個人、企業、団体の米国資産を凍結するほか、米国人との取引を禁止する。50%以上の権益を持つ合同資産についても制裁の対象になる。 オンライン詐欺に伴う人身売買、強制労働といった人権侵害により、米国人も詐欺の被害にあっているとして制裁を科すと説明した。カンボジア政府に対しては、オンライン詐欺の拠点に拘束されている全員の保護、送還、および人権侵害などの当事者に対する責任の追求を求めている。 クメール・タイムズ(電子版)が16日伝えたところによると、OFACの制裁について、カンボジア外務・国際協力省は13日、声明を出し、確証のない情報に基づく、政治的動機による措置で、カンボジアと米国の信頼構築の努力を損なうものだと非難した。ただ、カンボジアは越境犯罪取り締まりにおいて、米国を含む国際社会との協力を継続すると強調した。