倖田來未「W FACE」47都道府県60公演完走 伝えた「挑戦」の大切さ
第2幕は「inside」、第3幕は「Mix」
続く第2幕は「inside」。バラードメドレーから、「私のルーツはカラオケ」と話す倖田らしいカヴァーチョイス(中森明菜「TATTOO」、松田聖子「SWEET MEMORIES」、MONGOL800の「小さな恋のうた」)、そして「Heartless」では周り(外)への態度や言葉(outside)と本当の自分や思いや声(inside)とが違ってしまうことからくる葛藤やつらさをピアノを伴奏に歌い上げ、思いを表現した。 ファン思いの倖田らしい演出も続く。会場とファンクラブメンバーから選んだファンをステージに招いて“ティーパーティー”。「好きでして」を話しかけるように歌い、「BRIDGET SONG」ではビジョンに幸せそうに歌う自身の姿を映し、「Stand by you」では「京都のみんなへ」(地域ごとに地名の部分を変え○○のファンへ)とまるで手紙に綴るかのように思いをこめ、涙を浮かべ歌った。 第3幕は「Mix」。outsideとinsideの融合だ。一緒に踊れる“上がる”ダンスラインアップ。「HOTEL」「TABOO」「XXX」……DJ倖田來未としてリズムマシーンの「MPC」にも挑戦。 「Be My Baby」「LOADED」、続けて「W FACE~inside~」から、“かかってこい!”と「Bring It On」で「右から左へ 両手を上げながら」ジャンピング! 「What’s Up」では、お気楽に「塞ぎ込まずlet’s go!」と飛び跳ねた。会場が一体となったフィナーレ。「みんなの顔、全部見えた」と倖田も嬉しそうだった。
「W FACE」がオリコン1・2位獲得、歴史を塗り替えた
ファンからの声を受け、再び登場したアンコール1曲目は「inside」vs.「outside」。会場の拍手の多さで曲を決めるという試みだ。 京都はかなりの接戦で、参加して楽しめる趣向にお客さんの笑顔が広がった。ファンからの質問コーナーもあり、京都人らしく早口関西弁で笑いを交え返答。「MC速めでも聞いてくれるし、笑ってくれるし、地元のライブとてもあたたかい」と笑顔。 「みんなが笑っている姿を私もスタッフも見たいんですよ。そのために頑張ってくれている。きょう楽しんでくれてほんとに嬉しい。みんなが笑顔になってくれたら、私は倖田來未になれてよかったと思う」 そんなふうに思えるまでつらいこともあったという。批判を浴びることも。そんなときも自分を信じて「つらいときこそ笑顔で」と、自分がカッコいいと思うスタイルを貫き通した。 「いくつになっても挑戦し続けたい」「ここまでしたら聴いてくれないだろう、という限界を作ってしまってはダメだ」と思いを新たにしてアルバム作りに挑んだ。 その2枚の「W FACE」がオリコン1・2位を獲得、47年ぶりに歴史を塗り替えた。 「ほんとに嬉しかったです。頑張り続けていたら、こんなこともあるんだなって」