新型ホンダ・シビックにRS登場へ!!! タイプRとの違いはいかに!?
2024年1月12日から開催された「東京オートサロン2024」(千葉県・幕張メッセ)で、サプライズ発表されたホンダの新型「シビックRS」について、大谷達也がリポートする。 【写真を見る】新型シビックRSなどの細部(43枚)タイプRとの違いも徹底チェック!!!
ガソリンのMT
東京オートサロン2024のホンダ・ブースに、なぞのシビックが展示されていた。 外観は真っ黒で、ウインドウ越しにインテリアを窺い知ることもできない。スペックに関する表示はいっさいなく、ただ「CIVIC RS PROTOTYPE」のサインボードが掲げられているのみ。旧知のホンダ関係者に質問しても「ガソリンのMTであること以外、お知らせできることはありません」と、つれない返事が返ってくるだけだった。 数少ない情報をもとに、これがどんなクルマで、シビックの今後にどんな影響を与えるのか、想像してみることにしよう。 シビックのフラッグシップといえば「タイプR」だ。 シリーズ中唯一の2.0リッターVTECターボエンジンを搭載するタイプRは、ニュルブルクリンクでFF世界最速タイムの7分44秒881を記録してファンの心を捉えると、いまや生産が追いつかずに受注停止となっているほどの人気モデル。つまり、いくら欲しくても買えないのがシビック・タイプRなのだ。 とはいえ、排気量2.0リッターで330psを生み出す超高性能エンジンは、増産体制を築くのも容易ではない。だからといっていつまでも受注ストップのままファンを待たせるわけにもいかないだろう。 そこで、タイプRに準じるパフォーマンスモデルを、標準型シビックをベースに作り上げたのが、このシビックRSだと考えられるのだ。 パワートレインは燃料がガソリンであることが明かされただけで、既存の1.5リッター直噴ターボか2.0リッター・ハイブリッドのe:HEVかは不明であるが、ギヤボックスがマニュアルなのだから1.5リッター直噴ターボであることは間違いないだろう。ちなみに、展示車が履いていたタイヤはグッドイヤーのイーグルF1アシンメトリコで、これは既存の1.5リッター直噴ターボとおなじであることも、この推測を裏付けているように思う。 ちなみにこのエンジン、ギアチェンジ時の回転の落ちがあまり鋭くないことが市場で指摘されている模様。そこでRSの市販版では、シフト時にシステムが自動的にエンジン回転数をあわせてくれるレヴマッチングの装備が期待される。エンジンのパフォーマンスが現行の182ps/240Nmから多少増強されている可能性も否定できないが、その場合でも“伸び代”はそれほど大きくないだろう。 足まわりも、標準モデルより多少引き締められた仕様となるはず。ただし、タイプRほどハードなセッティングになるとは思えないので、路面の荒れたワインディングロードでは、RSのほうがサスペンションはしなやかにストロークしてロードホールディング性が改善される可能性もある。 いずれにせよ、シビック本来のスポーツ性能に磨きを掛けたモデルが、価格面でも納期の面でもタイプRより手が届きやすいカタチで登場すれば、多くのファンに歓迎されるはず。 ちなみに、シビックRSは2024年秋にも市販される予定だ。
文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)