【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第11ステージ】ダンバーがこれまでの不運を払拭する勝利…ログリッチが総合でじわり接近
この中からアルペシン・ドゥクーニンクのムーリッセが単独で抜け出し、1分のギャップを開けた。この動きに対してイスラエル・プレミアテックがこの第1集団を牽引する。この第1集団には9分50秒遅れの総合16位、ニュージーランドのクライマー、ベネットがいる。115km地点で第2集団との差が6分15秒まで広がると、オコーナーを擁するデカトロン・AG2Rラモンディアルが第2集団のペースアップを始めた。
先頭のムーリッセは約60kmを単独で走ったものの、フィニッシュまで残り32kmで第1集団に追いつかれた。さらにイササがカウンターアタックを試みるが、すぐに追いつかれた。ステージ優勝をめぐる戦いは、残り7.9kmをピークとするこの日最後の峠、プエルト・クルセイラス(距離2.9km、平均勾配8.9%)に持ち越された。
ヴェローナ、ザナ、ベラーデが最後の上りで積極的に仕掛ける。プールは下り坂でその差を縮めるが、残り1.5kmで追撃者が追いついてきた。ベラーデとヴェローナがさらなるアタックを試みるが、失敗。満を持していたダンバーが最後の1kmで全員を追い抜き、そのままロングスプリント。フィニッシュラインまで逃げ切ってグランツールのステージ初優勝を飾った。
ダンバーは2018年9月にチームスカイ(現イネオス・グレナディアーズ)でワールドツアーチーム入り。アイルランドのクライマーで、アシスト役としてジロ・デ・イタリアに3回出場。2023年に総合成績のエース格としてジェイコ・アルウラーに移籍してきた。今回のブエルタ・ア・エスパーニャは2回目の出場。一方でツール・ド・フランスの出場はまだ果たしていない。
この日4つの峠で激しい戦いを繰り広げた後、最終的に38人逃げのライバルたちを打ち負かしたダンバーは、「ちょっと不思議な感じがする。開幕時は本当に調子が悪くて、かなりタイムをロスした。総合優勝を狙ってここに来やけど、すぐに脚力がないと分かった。準備は入念にしたつもりなので、やり方を変える必要があった。ステージ優勝は予想していなかったチャンスとなった」とゴール後にコメントした。
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