CL権争いはアストンヴィラとトッテナムのマッチレースか
極上のバトルだった。一秒が、一瞬が惜しいほどにも感じられる。超ワールドクラスの攻防が繰り広げられ、その中心で遠藤航が胸を張った。ユルゲン・クロップ監督とジョゼップ・グアルディオラ監督の “名勝負数え唄” は1-1の引分け。「どちらも負けなくてよかった」。
それにしても、彼らリヴァプールとマンチェスター・シティに、アーセナルを加えたプレミアリーグの優勝争いは気絶するほどハイレベルだ。その他17チームとは次元が違う。
クロップが有終の美を飾るのか、グアルディオラがリーグ史上初の四連覇を達成するのか、アーセナルのミケル・アルテタ監督は悲願の初戴冠か。
さて、優勝争いとともに、チャンピオンズリーグ出場権をめぐる残り一枠も3チームに絞られた。アストンヴィラ、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドである。
ただし、ユナイテッドは望み薄だ。現在4位のアストンヴィラが残り10試合を5勝5敗の五分で終わったとしよう。勝点は70。ユナイテッドが上まわるには24ポイントが必要で、リヴァプール戦とアーセナル戦を残している。ともにホームゲームとはいえ、今シーズンのユナイテッドは終始パッとしない。最終節はアウェーで苦手のブライトン戦が待っている。
ルーク・ショーとタイレル・マラシアの長期欠場を、「メディカルスタッフのミス」と断罪したエリク・テンハフ監督の舌禍により、ただでさえ陰鬱だったムードがより暗くなった。
したがって、CL権争いはアストンヴィラとトッテナムのマッチレースになる公算が大きい。本稿執筆時点で前者が2ポイント差のリードを奪っているが、後者は消化試合がひとつ少ない。
また、28節の直接対決で4‐0の圧勝を収めたトッテナムは意気上がり、アストンヴィラは少なからぬショックを引きずる。
さらに、ミッドランズの古豪はキャプテンのジョン・マッギンが一発レッド。3試合の出場停止処分を科され、今週末のウェストハム戦、インターナショナル・ウィーク明けのウォルヴァ―ハンプトン戦、そして31節のシティ戦に起用できなくなった。