CM投下直後のコロナ禍で、求人と売上が激減。存続の危機を回避した「偏りの分散」とブランドの一貫性|株式会社タイミー
プロダクトの開発から発信まで、ブランドとしての一貫性を保つために、BX部では開発の初期段階から関わることも多い。マーケティングチーム主導のテレビCMの制作などにもBX部が入り、訴求内容を見て、ミッションに準ずるかを判断することもあると言う。タイミーが行うブランディングは、こうした一貫性がある。 「一貫性は、ブランディングにおいて何よりも重要です。例えば普段はたくさんSNS公式アカウントでポストしているのに、インシデントがあったときに、何も言わないのは一貫性がない。なにか悪いことがあったら隠すんだねという印象につながってしまいますよね。同じ理屈で、ワーカーさんに提供する機能とミッションで伝えていることに乖離があったら、それこそ一貫性がなくなり、ブランドのイメージ低下につながります。だからこそ、機能開発などにも、我々BX部が関わるようにしています」
また、「THE 赤提灯」という飲食店の立ち上げなど、課題解決策の具体化から発信まで、一貫性を保ちながら実施したプロジェクトもある。 「コロナ禍を経てとくに深刻となった飲食店の人手不足解消には、飲食の魅力を感じてもらえるお店で働くことや、飲食店で働くスキルを習得・育成する環境が事業者様、ワーカーさんの可能性が広げられると考え、そのファクトをつくるために『THE 赤提灯』というプロジェクトも実施しました。飲食店とコラボして再現性のある独自のカリキュラムをつくり、初めての方でもできる業務を30項目に分け、それぞれのレベルを可視化。飲食の経験者は、時給がアップする仕組みにしたんです。コンセプトは、『アルバイト全員がスポットワーカー』。つまり、従来のようにシフト制のアルバイトやパート採用ではなく、スポットで働きたいタイミーワーカーのみで営業を行うお店です。異例の試みでしたが、開業から1年間、ワーカーさんがマッチングしないことによる休業や営業時間・客席の縮小は一度もありません。アンケートでも『THE 赤提灯の経験が実績となり、ほかの飲食店で教育や現場リーダーを任されました』『接客を何年もやってきたけど赤提灯で働くことで自分の足りない部分に気づかされました』『ここで学んだ接客の基礎が、ほかの飲食店でも活かされました』などの声を、ワーカーさんからいただくことができました」