「GENOVA」医療DXの高成長株 スマートクリニック事業「新紙幣対応」でも 今期の売上高100億円&1株益100円突破
【天野秀夫 中小型厳選株】 米国市場ではエヌビディアを筆頭にマイクロソフト、アップル、アドビと生成AI(人工知能)の切り口を持つ企業の好業績が株価を押し上げています。東京市場は日銀金融政策決定会合とメジャーSQ(特別清算指数)を通過し、株主総会シーズンとIPO(新規上場)ミニラッシュを迎える6月下旬相場が到来する中、物色の中心軸があと一つ定まっていません。 ここは素直に好業績、高成長事業、旬のテーマ性を兼ね備えた株価の値ごろ感を持つ銘柄を中・長期視点で注目したい場面です。GENOVA(ジェノバ、9341)は、時価総額350億円規模と東証グロースでは比較的規模感がある銘柄ですが、これらの条件を満たす有望株です。 GENOVAは、医療メディアを主体とする「メディカルプラットフォーム事業」と、医療機関の人材不足への対応と患者の待ち時間短縮を目指した「スマートクリニック事業」を展開する医療DX(デジタルトランスフォーメーション)銘柄です。「メディカルプラットフォーム事業」は、各種治療や診療科目に即した特化型サイトを複数展開、追加することで月間PV(ページビュー)数増加で収益拡大が図れる収益構造を持ちます。 「新紙幣対応」でも 「スマートクリニック事業」では、医療機関の受付業務の1つである電話業務にかかる時間やコストを削減することを目的に、チャットGPT活用サービスなどを開発しています。複雑な質問に口語体で自然にAIチャットポッドが受け答えする機能を持っています。また、同社の主力商品である自動受付精算機とセルフ精算レジも省力・合理化対応サービスです。7月から本格化する「新紙幣対応関連」としても意識されてくるでしょう。 業績面での高い成長も同社の魅力となっています。前3月期は33・3%増収、32・7%営業増益で着地し、今2025年3月期連結業績は売上高109億2900万円(前期比25・9%増)、営業利益27億5300万円(同19・6%増)、経常利益27億3300万円(同18・3%増)、当期利益18億7000万円(同8・3%増)で、5期連続の最高益更新見込みで、今期1株利益予想は105円(前期実績97・35円)見込み。 さらに、今3月期は初配当となる期末一括の年間30円配当(創業20期記念20円含む)を実施することを期初に発表しています。