「大学共通テストは長文化している」、変わる受験と増える予備校形態まとめ「駿台」「河合」「代ゼミ」の特徴比較
2024年の大学入学共通テストは1月13日と14日。2021年以降、4回目の実施となる共通テストだが、その傾向は初期からどのように変化したのか。共通テストが重視する項目の変化に伴い、塾・予備校の形態もずいぶん変化した。冬休みを目前に冬期講習の受講を考える生徒もいるだろうが、多様化する塾・予備校の中から何をどう選択すればいいのか。SRP教育研究所学習アドバイザー、医学部予備校講師やオンライン家庭教師で、現在個別指導の古賀塾で校長を務める山崎翔平氏に聞いた。 【画像で見る】集団予備校「駿台予備校」「河合塾」「代々木ゼミナール」の特徴と講座受講料 大学受験のための塾・予備校といえば、10年以上前は「駿台予備校」「河合塾」「代々木ゼミナール」を中心とする集団授業の形態が主流でした。しかし現在は「東進衛星予備校」や「河合塾マナビス」などの映像配信型、「TOMAS」のような個別指導型、「武田塾」のような自立学習型、「メディカルラボ」のような医学部専門などさまざまな形態が増えています。 入試制度も変わりました。2021年には共通テストが初めて実施されました。大学入試センター試験を置き換える形での導入で、共通テストは大学入試の選抜方法をより多様化し、幅広い学力評価を目指している点が特徴です。この変更は、日本の大学入試システムにおいて重要なステップだとされています。そこで今回は共通テストの特徴に触れつつ、多様化する予備校の特徴とおすすめの予備校を紹介します。
大学共通テストは「長文化」の傾向に
センター試験が基礎的な知識と理解を重視していたのに対し、共通テストは思考力・判断力・表現力を重視するようになりました。共通テストが始まって以降の傾向の変化を比較すると、従来は教科書や参考書の問題を覚えていれば解けるようなものが主でしたが、今は教科書の知識を使って自分で考えないと解けないものも出題されています。 また、問題文の文字数が増加しています。英語の試験は、センター試験の3500~4300字に対して現在は6000字。数学の試験でも「太郎さんと花子さん」の会話や日常生活と絡めた問題が出題され、導入文が非常に長くなっています。長い文章を速く正確に読む力も求められているのです。 私自身も指導する立場として、近年の子どもたちには長い文章を読む機会が少ない印象を持っています。YouTubeなど動画の影響で活字離れが進んでいるのでしょう。しかし入試問題は長文化している。すぐにできる対策としては、活字を読む習慣を作ることです。小説ほどでなくても、各科目の教科書を読んで理解できればよいでしょう。現在では映像授業も増えてわかりやすく説明を受けることができますが、文章を読んで自分自身で理解する力も必要だと思うのです。