中国でNHK海外放送が一部遮断 広東省の車暴走事件ニュースで 当局が警戒か
【北京=三塚聖平】中国で12日、NHK海外放送のニュース番組が中国広東省珠海市で車が暴走して人をはねて死傷者が出たことを伝えた際、放送の一部が遮断され、「信号異常」を示す画面に切り替わった。 理由は不明だが、事件が広く知られて社会不安が増すことを中国当局が警戒しているとみられる。中国メディアも警察発表などを報じているものの扱いは控えめで、交流サイト(SNS)では事件に関する投稿が制限されている。 事件は、珠海市のスポーツ施設の敷地内で11日午後7時50分(日本時間同8時50分)ごろ発生した。香港紙の明報(電子版)は12日、10人以上が死亡し、100人近くが負傷したと伝えた。警察は車を運転していた62歳の男を拘束したが、動機などは明らかにしていない。 中国各地では、多数の人を無差別に狙う襲撃事件が相次いで起きている。9月末には上海市のスーパーマーケットで男が来店客らを切り付け、3人が死亡、15人が負傷した。不動産不況に端を発する景気低迷により、国民の間で不満が高まっていることが背景にあるとも指摘されている。