緊急事態宣言、愛知・大村知事は「要請も視野に」 「医療崩壊」については否定
愛知県の大村秀章知事は7日、県庁で記者会見した。県内の新規陽性者が400人を超えたことについて「衝撃を持って受け止めている。大変厳しい状況」と話し、県民や事業者にさらなる対策の徹底を求めた。一方、政府がこの日、首都圏を対象に再び出した国の緊急事態宣言については「(対象追加の)要請も視野に入れて明日以降、3連休などの状況を見て判断したい」と述べるにとどめた。 緊急宣言、愛知県は「要請視野に状況見る」 大村知事が会見(2021年1月7日)
陽性者400人台へ、時短要請は1カ月後に延長
この日の愛知県の陽性者数は431人。前日に364人を記録して、県として初めて300人を上回ったばかりだが、一気に400人台という次のステージに突入した。大村知事は引き続き「厳重警戒」のレベルにあるとした上で、県民に対しては「夜間の不要不急の外出自粛」「首都圏1都3県への移動自粛」などを、事業者に対しては「50%目標のテレワーク・時差出勤の徹底」「職場・寮での感染防止策徹底・会食自粛の呼び掛け」などを、それぞれ「特にお願いする感染防止対策」として求めた。 また、現在、県全域の接待を伴う飲食店などに対して、今月11日までは夜9時までの営業とするよう要請を出しているが、これを2月7日まで期間を延長するとした。要請に応じた店舗への協力金も引き続き1店舗1日当たり4万円、最大108万円として、総額約328億円の補正予算案を8日に開く県議会臨時議会に提案する。
県病院協会長「医療崩壊始めた」指摘、知事は否定
医療提供体制については「現時点で救急医療が受けられないといった状況ではない」と断言。 会見前に開かれた県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議では、愛知県病院協会の伊藤伸一会長が「愛知県において医療は崩壊を始めたと言って過言ではない」と訴えた。しかし、会見で大村知事は「(伊藤会長の意見は)それぞれの立場の意見ということで受け止めさせてもらった。ただ、愛知県全体で医療崩壊という状況にはなっていない、ということははっきり申し上げたい。全体は私が一番分かっている」と述べた。 6日現在の県内の新型コロナによる入院者数は672人。大村知事は県全体のコロナ対応病床数として1102床を確保したと強調した。 (関口威人/nameken)