中国株、景気刺激策が材料の買いは「ペイントレード」-ロンバード
(ブルームバーグ): 中国の景気刺激策は10兆ドル(約1520兆円)規模の同国株式市場に最初は熱狂をもたらしたが、その後に起きた状況がロンバード・オディエのアジア最高投資責任者(CIO)を不安にさせている。
2カ月前に発表された大規模な景気対策を受け、富裕層に助言するアドバイザーはジレンマを抱えたと、ジョン・ウッズ氏がインタビューで語った。長年低迷していた株価が急伸したことに対し、今回はこれまでと違うと期待して上昇の波に乗ろうとする投資家がいる一方、また同じようなヘッドフェイクではないかと警戒する向きもあった。
スイスのプライベートバンクであるロンバードのウッズ氏は「株価を高値で買い、その後の数カ月で値下がりすることがリスクだ」とした上で、これを知らない人にとっては「ペイントレード」だと語った。
景気刺激策の発表後、中国本土株の指標CSI300指数は30%余り上昇して10月8日にピークを付けた。だがその後、国内成長見通しに対する懸念やトランプ次期米大統領が掲げる関税策を受け、中国株の見通しが曇り、上昇分の一部を失った。ただ年初来の騰落率はなお約14%のプラスだ。
ウッズ氏は、消費に大きな焦点が当たるまで、「これら景気対策は短期的なものになる可能性が高い」とし、「市場は激しく好感した後、実質的に戻す」と予想した。
原題:Lombard Odier Says Buying Into China Stimulus Is ‘Painful Trade’(抜粋)
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Diana Li, Patrick Winters