父にさえ伏せた「がん」も自虐ネタで笑いに 爆笑問題・田中が語る優しくない漫才
爆笑問題は、コンビ結成から32年になる。 「もともと、友達で始まって今に至るけど、いわゆる学生時代からの友達というのとも違う。仕事のパートナーとして毎日のように会ってますからね。たとえば、きょうだいがいない人にきょうだいの関係性を説明するのが難しいのと一緒。コンビの関係も嫌いとか好きとか、仲がいいとか悪いとか、その感覚と違うんですよ。2人で楽屋にいたって一言もしゃべらなかったりもするしね。大人になってから親子二人きりになると気まずいみたいな感覚に近いかもしれないですね」 相方を芸人としてどう見ているのか。 「ヤフーニュースで僕が『太田は天才』なんて言うと、また叩かれるからあんまり言いたくないんですけど(笑)。人の考えを読み取る力とか、誰も気づいていない点に着目できる力とか、そういったところは本当にスゴい。知識はもちろんだけど、すごく奥深く物事を推察することができる。『見透かされた』って思うと、ちょっとそこで一目置くじゃないですか。太田はそういう感じの、もっとすごいヤツですね」
父親として格好つけたいけど……ムリ
田中は現在、3人の子どものパパとしても日々奮闘する。離婚再婚、子どものこともラジオでは話してきた。 「うちの家族は女性が強い。ママと12歳のお姉ちゃんが一番上で、次女はまだ赤ちゃんでワガママし放題ですから。僕と小3の長男が家族の中で立場が一番下(笑)。父親として格好はつけたいけれども、現実はムリ。とにかく毎日毎日、子どもは誰かしらがギャーギャー言ってますから。格好をつけてる余裕なんかない。多分ママに怒られます。『どうでもいいから早く手伝ってくれ』みたいな」
特段、家庭で仕事の話をすることはないが、長女から『漫才とかやるじゃん、あれって怖くないの?』と聞かれたことがある。 「『だってハズしたら、怖くない?』って。『そうだよ、怖いよ。それで一生懸命やっているんだよ』と返したら『マジ?』って(笑)。もし、子どもが『芸人になりたい』って言っても、反対は特にはしないけど、勧めることはないですね。とても大変だ、とは言うと思います」 良好な関係で順風満帆な田中家。しかし田中は「問題はこれからだ」と言う。 「今のところはまだ嫌われてないですけど、思春期に入れば、恐らく1回嫌われる時期がくる。長男だってまだ甘えん坊ちゃんですけど、あと数年たったら身長も違って、声変わりをして、『おやじ、うぜえよ』とかという時期がくるかも……分かんないですよね、こればっかりは。だから今のうちになるべく、『キミらのことを好きだからね』みたいなことを潜在意識に刷り込んでいます」