「30歳前後で始めると理想的」外資系企業で成果を出し続けられる"中年社員"たちの共通点
■30歳前後からの「運動習慣」で体力をつける タフでハードな職場で中年になっても成果を出し続けることができる人は、その労働をこなすための体力がしっかりあります。20代のうちはがむしゃらにやればなんとかなった人が多いと思いますが、年齢とともに体力は落ち、疲労は抜けにくくなります。しかし、体力があればしっかり頭を働かせることができるのです。 私はクライエントの30歳前後の社員たちには機会があるたびに、こういった会社で長く働き続けたいと思うのであれば体力は当然必要であること、そのためには定期的な運動習慣を持つことが重要であることを伝えています。もともとジム通いやランニングをしている人、学生時代は運動を定期的にしていた人はすんなりとできることが多いです。 運動習慣のなかった人は、週に何回か体力維持のための運動習慣を持つこと、それを業務タスクの1つとしてスケジュールに入れることをお勧めしています。運動の種類にはこだわらず、自分が続けられるもので十分で、ジム(筋トレ、有酸素)、水泳、ジョギング、ゴルフ(打ちっぱなし)などを始める人が多い印象です。 ■30代後半になると体力の衰えを感じる人は少なくない 最後にAさんに、「Bさんはどうでしょう?」と聞いてみました。この3つを何か意識しているとは感じていないこと、特に運動は全くしていないと聞いていることを教えてくれました。そして、Bさんとの今後の雑談の中で、この3つを意識してくれるようにお話したいともおっしゃってくれました。産業医として嬉しく思いました。もちろん、次回Bさんが体調不良になったとき、産業医面談を勧めていただくことも選択肢であることを伝え、Aさんとの産業医面談は終了しました。 その後、AさんもBさんも産業医面談にはいらしていません。きっとうまくっていると信じています。 以上、20代の頃のような体力任せの働き方ができなくなっても、タフでハードな職場で結果を出せる人について、述べさせていただきました。30代後半になると、体力の衰えを感じる人は決して少なくないと思います。今日の話があなたのお役に立てば光栄です。 ---------- 武神 健之(たけがみ・けんじ) 医師 医学博士、日本医師会認定産業医。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。ドイツ銀行グループ、バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ、ムーディーズ、フォルクスワーゲングループ、BMWグループ、エリクソンジャパン、テンプル大学日本校、アドビージャパン、テスラ、S&Pといった大手外資系企業を中心に、年間1000件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を実施。働く人の「こころとからだ」の健康管理を手伝う。2014年6月には、一般社団法人日本ストレスチェック協会を設立し、「不安とストレスに上手に対処するための技術」、「落ち込まないための手法」などを説いている。著書に、『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書』や『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣』『外資系エリート1万人をみてきた産業医が教える メンタルが強い人の習慣』などがある。公式サイト ----------
医師 武神 健之